五月二十八日、二十九日

 二十八日。

 淡竹はちくをいただく。皮をむくのにも新鮮な音と匂いを感じる。煮物にするあいだに、あんかけ豆腐を作って夕食。こういった、なんでもないような食卓をいちばん幸福に思う。


 二十九日。

 谷崎潤一郎『たでむし』(新潮文庫)を読む。面白い。実は氏の作品を開いたことがなかったので、この機会に他のものも読んでみるつもりでいる。

 こまごまと忙しく、散歩に出られない。さみしい気持ちで夜なかに窓布カーテンを開けると、満月が雲に花を咲かせていた。

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