五月二十七日

 ハンマー・ダルシマーという楽器の演奏をく。奏者そうしゃいわく「富士山型」をした木製の本体に金属弦が張られていて、これを二本のハンマー(ばち)で打ってかなでる。「ピアノの祖先」とする説もあるという、非常に古い楽器。

 耳につく性質ではなく、いくつもの玉が転がる、やさしくてなつっこい感じの音。「ダルシマー」が「美しいメロディ」というような語源を持つということだから、まさに名前通りのものだった。


 ぽろらん、ぽろらん、

 はんま、だるしま

 げんに、とまるか

 はねるか、とりよ


 とりの、はねかと

 おもえる、ほどに

 かるく、はねつく

 ふたつの、ばちよ

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