五月二十五日、二十六日

 二十五日。

 夏じゅうの相手をしてもらう本をろうと棚を開ける。読もうと思ったまま積んであるだけのが、ふちにもはみ出しているので整頓せいとんねて。

 まず、川端康成の『千羽鶴』(新潮文庫)。……本当は同作家の随筆集ずいひつしゅうにするつもりが、なんとなく開いてみて、そのまま読みはまってしまった。


 二十六日。

 夜。月は次第に開いて、猫の目か扁桃アーモンドのかたちをとる。こんなに夜が明るくて、こんなに苗が真っすぐ並ぶなら、どこかでかみさまの行列があろう。

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