五月十七日

 畑に出る。去年トマトがわっていたところから勝手に新芽が伸びてくる。せっかくだけれど残らず抜いておく。まだ指先ほどの大きさなのに、野菜らしい、いい匂いがする。

 肝心かんじんの苗のほうは、なすとあわせて花が咲いた。背もみるみる高くなるので支柱を足さなければならない。


 夜。好きなものを机のうえに並べて、ただながめる。星図、天然石、人工石、生物標本。……とある世界の天空や森林のいろをさいしゅしたというびんりの球もある。こういうものを仕入れておくってくれるのは、貝がら切手のひと。(『五月一日』参照)

 そわそわとなにか作りたくなる。夢にも見そうだと思いながら、考えかんがえねむる。

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