五月十八日

 外出。ミニバラがいきおいよく咲いている。大輪もいいけれど、ちいさいのがにぎやかに、また一生懸命ひらいているのも可愛らしい。

 こういう小粒の薔薇ばらすみれ、水仙、金木犀きんもくせいなどなどは、砂糖にくるんでかざってしまいたい気がする。アイスクリームかパンケーキかのうえ。紅茶に入れるのも、きっといい。


 夜。きりい。遠くの色つき外灯が、あやしい光を広げている。昨晩にながめたいろいろなしゅうしゅうひんのせいで、燐々虫りんりんむしりの水晶だとか、魔女のちっこうキノコだとか、そんな妄想物が、そこにあるような気がしてくる。

 (“燐々虫”は拙作せっさくげいうたげ』に登場する、みどりにひかる羽虫のこと)

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