リースクフトの川の話

 リースクフトの街には夜になると光る川が流れている。街の人々にとっては普通の光景で、酒場近辺では光っている川めがけて嘔吐する奴なんかも当たり前にいる。まれに腕一本くらいある大きな魚を見かけることがあり、すると数日のうちに誰かが発狂する。人々が寝静まる頃、川はもっとも輝きを増して、そこにだけ夏の朝が来ているようになる。その川に誰かがつけようとした名が定着したことはかつてなく、その川に入水した者は絶対に遺体が見つからない。

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