第23話 『革命』 その4


 キューさんは、普段のキューさんと見た目は同じですが(ロボットですからね)、なんだか、まったくちがう感じがしました。


 はっきり言って、おそろしいのです。


 戦闘の時間は、そんなに長くはなかったのですが。


 しかし、キューさんの攻撃力は、ただものではないぞ、と思わせるのに十分でした。


 だれが相手だったのか、さっぱりわからなかったのですが、どうやら撤退したようです。


 お店の奥の方で、ごそごそうと、うごめく影がありました。


 逃げ込んだ人たちなのでしょう。


「もう、大丈夫ね。」


 キューさんが言いました。


「あんた、なにもの?」


 お嬢が、とっさな感じで言いました。


「ロボットさんですね。」


 キューさんが、おとぼけをしました。


「体の中に、武器が詰まったロボットさん、かい?」


「まあね。そういうのもあるのね。」


「おれ、知ってる。」


 スワンが言いました。


「むかし、対人間戦用に、ロボットは戦闘用のロボットをかなり作ったんだなもし。種類もたくさんあったぞな。人間側が降伏したので、もう最近はあまり見ないけどな、もし。その、生き残り・・・かなもし。」


「まあ、相当、近いですね。でも、ぼくは、もう、対人間用じゃないね。対ロボット用なのね。そこが、大幅に違うのね。はい。」


「むむむ・・・・。」


 ぼくは、少しだけ思うところがありました。


 というのは、あの行方不明の地主様は、そのむかし、ロボット相手に闘っていたレジスタンスの子孫らしい、というお話です。


 それも、相当な大物だったとか、聞いたことがあるのです。


「あいては、誰だったの?」


 ぼくが尋ねました。


「分析によると、これまで表に出ていなかった連中ね。ロボットには違いないけれど、警察関係のモノではないね。」


「じゃやあ、『革命ロボット派』、とかかい?」


 お嬢が勝手に名前を付けて言いました。


「そう命名してもよいね。きっとね。すでにぼくの検知範囲からは外れたね。素早いね。」


「外に逃げたのかい? なんで攻撃してきたの?」

 これは、またお嬢です。


「さて、そこはどっちも不明ね。このモールは巨大だし、検知できない部分も多いからね。『革命ロボット派』なら、相手は、きっと、ロボットのぼくだけね。でも、『革命』に巻き添えは付きものなのね。とにかく、早く裏に行くね。」


 ぼくたちは、再びバックヤードを目指しました。





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