第18回「夜明けの若者」

ミカゲの家はあたるさんの丘の家の近所だった。


「随分小綺麗なとこに住んでんだな」


「そう?普通じゃない」


ミカゲは目を凝らす。


「お前誘ってるだろ?」


「バレたか」


「俺も27歳だぜ、それなりに分別もつくって」


「ほとんどの27歳が分別無いと思うけど」


「俺はそういうやつらとは違うの」


「ますますトビウオに惚れちゃうよ……」


「勝手に惚れれば、俺にはルナしかいない」


「はい、はい、はい、どーせ届かぬ想いよ」


空は藍色を帯びてきた。


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