第5話 あの、女神様の御年は? (1)

 ドン!


 ガン! 


 バン! バン!


(うぅ、マジで、こいつ! 痛い。痛いな……。僕の物の怪した輩の癖に。本物の、僕の顔をポンポンと殴りやがって! マジでムカつく!)


 まあ、僕はこんな悪態を自身の脳裏で思い、つけながら。


「何太后さま~! ほ、本当に僕が、貴女様に、無礼になるかも知れないことを尋ねてもよろしいのですか~?」


 僕、理儒──。


 そう、僕の押しかけ女神さま宣言をした何太后さまが言う話しでは。


 僕は後漢の大悪党!


 そう、漢の滅亡を早め、三國志時代を招き、晋を導いた張本人である。


 魔王董卓の参謀であり。


 あの悪名高い軍師……。


 董卓に小霊帝こと弁王子を失脚──。


 母の何太后さまもろとも殺害するようにと。


 協王子を皇帝に傀儡するようにと策を練り、進言……。


 実行までした董卓の超ワルな暗黒の軍師、李儒の転生者らしい。


 だから何太后さまは、僕に恨み辛みがあるから。


 毎晩僕の許へときては、昭和時代……。


 日本の蒸し暑い夏を涼しく、ひんやりとさせてくれる怪談シネマのヒロインさまみたいに精力吸い尽くし。


 僕を骨皮筋衛門にしながら呪い殺してやるつもりだったらしいけれど。


 今の僕! 三國志時代の僕ではなく。


 令和の時代の僕が!


 何太后さまの悲惨で気持ち悪い、ではなく。(汗! 汗!)


 大変に悲惨で可哀想な容姿と泣き叫ぶ声──!


 そして弁王子の絶叫まで聞いて。


 今までの僕は、それでも素知らぬ振り。


 自分のことではないし、僕自身も何のことで何太后さまが、恨み辛みを告げてくるのか理解ができなかった、と言うか?


 今でも僕自身はよくわからないことだけれど。


 小さな子供がお母さんを呼びつつ、泣き叫び、助けを乞う、姿と声に対して僕自身がとうとう耐え忍べなくなり。


 堪忍袋の緒が切れた!


 だから弁王子を助けるべく僕は魔物……。


 そう、前世の悪しき僕がボスモンスター化している世界……。


 そう、僕が只今プレイをしているアプリゲーム、【三國オンライ戦記】の世界へと。


「朕はぁ~、あなたの夢と希望を叶えましょう~。我が主さま~」と。


 彼女は甲高い声音で叫びつつ。


 僕がアニメやマンガ、ライトノベル影響で以前から興味があった!


 そう! できれば、僕の許へと女神さま、魔王さま、天使さま、精霊さまがきてくれて。


 僕を異世界へと導いてくれないかな? と思っていたことを。


 女神化した何太后陛下が叶えてくれると言ってくれたんだ!


 だから僕はなんて幸せ! 自身の顔が結構腫れて、鼻血がでようとも勇気を振り絞ってよかったと思うのだが。


 僕を異世界! 光りの世界? 幽子の世界なのかはわからないけれど。


 僕を召喚してくれた女神さまの条件は?


 もう既に他界をされた何太后さまの旦那さま……。


 劉宏皇帝陛下後添い。


 彼氏、夫になって尽くせと申してきているから。


 童貞君の僕としては悪い話しではない。


 だって何太后さまのこの容姿を見ればわかる通りで。


 彼女の烏色した長い髪に、ツイン団子……。


 可愛いエルフ耳もついて、ピクピク可愛く動く。


 それにあの手の長さと足の長さ。


 そしてあの豊満なオ〇パイに!


 あの括れた腰に、大変に小さく、キュッ! と締まったお尻……。


 本当に貴女は子供一人産んでいるのですか? と問いたくなる、と言うか……。


 もう既に僕は尋ねました。


 僕の女神さまが、余りにも妖艶、艶やか、ピチピチした肌の持ち主だから。


 僕としては大変に有り難いお話しではありますから。


『僕は今後、貴女の肉人形として、粉骨砕身がんばりますね!』と。


 僕は今後の抱負を歓喜しつつ、告げたいところではあるのだけれど。


 彼女! 女神さま! 何太后さまが余りにも妖艶過ぎるから。


李儒理樹~、朕は先ほどから申しているじゃろぅ~。未亡人である朕のことを世話、養い、尽くしてもらうのだから文句は言わぬと~。だから早ぅ、申してもみろ~。尋ねてみろ~。あなた~」と。


 僕と喧嘩をしている僕のことを後ろから。


「がんばれ~! がんばれ~! 李儒理樹~!」、


「そんな爺に負けるなぁ~!」と。


 若い僕に熱いエールを送ってくれる女神さまへと。


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