第101話 李儒(理樹)と内気な姫殿下(2)

 何故生えている。茂っているのかは、理解がしがたい。できないのだが。黄土の荒野にポツンと丘があるのだけは、目と瞳に映る。


 まあ、そんな中、というか? 場所、丘へと足音──。


 そう、丘へと向けて走る。走行をする。二足歩行の足音がする。


 と、言いたいところではあるのだが。


 う~ん、どうやら、二足歩行ではなく。多足歩行、と言えば大袈裟になる。なるから言わない。ムカデでも無い限りは、多足歩行はあり得ないからね。


 まあ、要するに? 街外れ……。



 そう、こんなにも宮殿、城塞都市から離れた場所にある。


 この黄土の荒野に佇む、オアシスのような緑の丘へと向けて走る──。


 そう、二足歩行の者では距離がある。あるので、行けないことはない。ないのだが。いくとなると。少々辛い。辛いのだ。二足歩行での遠出はね。




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