第100話 李儒(理樹)と内気な姫殿下(1)
〈タッ、タタ──〉
〈タ、タタタ……〉
足音、足音が聞こえる。聞こえてくるね。
まあ、何処から、というよりも?
普通に地面があり。空気があり。空──。
人、動物、生き物と呼ばれる者達が住み暮らせる環境があるならば、足音がする。するのは当たり前のこと、ことだから。これ以上は深く、深く思案をする。し続けることもなく。話! 話の方を進めるようと思う。思うのだが。
と、言いたいところではあるのだが。
そうはいかない。いかないのだよ。
だってさ、この場所……。人なのか? 他種族なのか?
それとも? 恐ろしい獣、魔物、怪獣なのかわからない。未だ確認がとれていない者、物の足跡がしたのは、古の中国、中華に良く見られる城塞都市から少々離れた。街外れの草原……。
それも? 草木すら余り生えていない黄土の荒野──。
大陸特有の風の為だろうか?
黄砂が強き風で舞う。舞い上がる平地のなかにポツンと浮かぶ、砂漠のオアシスのような感じで小さな丘──。
それも? そこだけは、緑が綺麗に生えている。いるのだよ。
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