第12話

終業のチャイムが鳴った。見覚えのない三年生から呼び出しがかかっている僕は残る。どこにいたらいいのか聞いてなかったが、教室の前の廊下で待っていることにしよう。三年生が犯人だったのかは今のところ断定できない。予想してみる。

犯人だとして、なんでぼくがやられたのかは聞き出す。襲ってきたらいやだな。サドルを切るくらい乱暴だから可能性がある。覚悟だけはしておこう。

数分して例の三年生が来た。

「ちょっとついてこいよ。」

黙って三年のうしろをついていった。後ろ姿を見て、戦うと負けそうだと感じた。黙ってついた先は中庭だ。

「呼ばれたのはなんでかわかるか?」わかるわけがない。

「い、いや~なにかしました?」ほんとに全然見覚えがない。

「お前自転車にイタズラされてただろ、あれ、してたやつ知ってるぞ。」

「え、知ってるんですか?」そう言うと三年はニヤニヤしていた。

「おれ。おれがしたんだよ。」やはり犯人だ。サドルを切ったのに開き直っている。開き直っているよりも、したり顔になっている。ヤバい奴だ。

「あれ見たら言いたいことわかるだろ?」え。なにもわからない。困惑していると「おれ、好きなんだよ。そのなにがなんだかわからないって顔。付き合ってくれないか?」

・・・・ん?今何言われた?付き合ってと言われたようだ。

いやいやいや、ようだ。じゃないよ。えええ、どういうこと??

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