第11話
僕は自分の教室にもどる。
やっと犯人が分かったと思ったのに、ただ単にいただけの看板娘だなんて思わなかった。さっきの分かれ道に戻ってきたところで自転車置き場までの道を見た。ここを通ると自転車置き場に行ける。でもここを通る人は少ないから少し目立つ。とりあえず教室にむかう。廊下には準備でお祭り騒ぎだ。おばけや虎のような魑魅魍魎がたくさんいる、動物園化している道を抜けていくと、自分の教室前の廊下には宇宙がつくられている。土星、月、人工衛星、宇宙服。宇宙に行けそうな気がしてきた。
ユウタが僕と目が合うと近づいてきた。にやにやして満足げな顔がにくたらしい。「おー、探したぞ。昨日言った宇宙帽見つかった。まとめてクラスの倉庫に入ってたらしい。」
「よかったな。宇宙帽大事にしろよ?」
「当たり前だろ。これなかったら人生終わるぞ。」
「あ、そう。」
そこまで入れ込んでやるものかは僕にはわからないが、ユウタは楽しそうだ。
突然僕のすぐ後ろから声が聞こえてきた。
「おいお前。放課後ちょっと話あるから。」
なんだこいつは。怒ってるのはわかったが見覚えがない。制服のネクタイで学年で色分けされていて一年は濃い青、二年は紺、三年は緑色だ。目の前にいる男は緑色のネクタイをつけている。もしかして、この人は犯人なんじゃないか。文字通り、疑いの目を向けた。
「わ、わかりました。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます