9月23日 オチと理由

 自主企画の小話や、カクヨムコンへ応募する為のネタを探している最中です。


 こんな時はひたすらインプットです。


 様々な作品を見て読んで、身近にあるものでいつもなら見流してしまうものに、目を止めるようにしています。


 そんな時に。


 ふと、とあるゲームをやりました。

 アドベンチャーゲームです。


 途中までは、比較的好きな感じだったんですが……



 ラストがアカンかった……


 御都合主義で終わり、『……え? ちょい待て、ごめん、それはダメだろ』となりました。


 それまで、凄く良い雰囲気になっていたのに……

 最後の最後に悪い意味でぶち壊され、消化不良を起こして不貞寝しました。



 そして『終わりよければ全て良し』の言葉の重要さを噛み締めておりました。



 途中、どんなに素晴らしい話展開させていても、最後がダメなら評価ガタ落ちするものなのだと実感した。


 そう、読者がその作品に最後に触れるのは最後の部分なのだ。

 だから、最後部分の評価=その作品の評価、になりかねない。


 ラスト、重要。


 それを身を以て体験しましたコンチキショウ。


 広げられた大風呂敷を、どうしまうのかワクワクしてたら、燃やされて『はい、片付けたよ』と言われた感じ。


 違う、そうじゃない。


 綺麗に畳めとはいわない。せめて、畳む努力しよう?


 久々『そりゃねぇわ』と声が出てしまった。


 ゲームという特性上、例えばマルチエンディングのゲームなどは、一部そうなってしまう可能性はある。

 それは仕方ない。

 が。

 本筋ストーリーのオチがそもそもソレって……ははははははははは。


 私が、無意識にやっていた『ラストから考えて、そこへ向けて途中を構築して行く』というのは、あながち間違いではなかったのだ。



 そこで思った。



 ストーリーを飾って盛り上げて魅力的にしてくれる『設定』。

 絶体絶命、もう引き返せないのだというストーリー。


 面白い。

 確かに面白い。


 読み手は、その後どうなるんだろう、どう決着がつくんだろうと、カタルシスに向けて期待値をどんどん膨らませて行く。


 なのに。

 カタルシスなく終わってしまったら。


 そう『ガッカリ』なのだ。


 カタルシスを感じたくて、『気持ちいい』状態になりたくて読んでいたのに、それがない。

 むしろ、残念な感じにされてしまったら。


 例えば、水戸黄門で、『格さん、助さん、やってしまいなさい!』と大立ち回りがあり、

 観客はその後の展開を期待する。

 どうやって悪人を懲らしめるのか。

 しかし、格さん助さんが悪役をボコボコにしたところで、光圀さんが『一件落着!』と言ったとしたら……


 は? ってなるよね。


 水戸光圀御一行、ただの暴力で解決する、危険団体でした。


 なんてなったら、とんだ『ガッカリ』じゃない?



 書き手の中には、書きたい『設定』が先に来てしまう事がある。


 それも勿論良い事だ。

 私なんぞは『設定』でいつもつまずくタイプだから。


 ただ、設定に凝ったら、それに似合う『オチ』をつけないとダメなのだ。


 途中が面白ければ面白い程、最後にやってくるカタルシスを読み手は楽しみにしてしまう。


 読み手全員が納得するオチをつけるのは難しい。

 でも、全くオチにならない終わり方は……ね。


 途中でぶった切る事で『オチを見せない』というオチのつけ方もある。

 が、それはちゃんと『オチを読み手に分かりやすく想像させる』事が出来ないとダメなんだ。

 オチに繋がる全てモノが用意されててのぶった切りならOK。

 前にどこかで書いた『作者の中に確固たる結末があって、敢えてそこを書かない』ならアリなのだ。

 でも、布石も解決方法の提示も何もない状態でのぶった切りは、『大風呂敷、畳めなかった?』と読み手に思わせてしまう。

 作者も畳めなくなって放り投げたのだとしたら、それはもう……ははははははは。


 勿体無い……と、思ってしまう。


 素晴らしい素材で素晴らしい技量で書かれたものだったら尚更……



 だからお願いだ……オチは、つけよう?



 社畜はカタルシスがないと死んじゃうんだよ……?

 少ない時間を、作品を読む為になんとか捻出しているのだからこそ『読んでよかった』と思いたいんだよ……

 褒められやしない遣り甲斐を感じない現実に生きてるから……さ。

 物語の中だけでもスッキリさせてくれ……



 ストーリーのキーで『偶然』『気まぐれ』は絶対NG。

 特に最後にソレ出したら、ガッカリどころか幻滅するレベル。


 キャラたちにとっては偶然でも、ストーリー的に『必然』ならOK。

『どうしてこうなったのか』を説明できないとダメなんだよ!!


 私の書いた小説『数多の誰かの物語』の『青の奇跡』の章で、クレバスから滑落した『僕』は死の淵を彷徨います。

 それを、狼が助けてくれますが……その理由は、本人たちにとっては『偶然』なんですが、私はその理由を死ぬほど頭を捻って考え出した『必然』なんですよ。

 とある理由があったから、『僕』は狼に助けられたんです。

 これが、狼が気まぐれで助けてくれたってなったら、物凄く不自然になるでしょ?!

 普通、野生の狼、人間、タスケテクレナイヨ!!!


 そういった、設定にしっかりとした理由がないと、ただの御都合主義なんだよ!!!


 魔王と戦ってて絶体絶命のピンチに勇者の剣がどこからともなく、理由もなく降ってきてソレで魔王を倒せましたヨカッタネ☆ ってなったら『なんじゃそりゃあ!』ってなるでしょ?!


『神様の気まぐれです』ってなったら、もうその神様、神様じゃなくてただの作者都合のキャラじゃん! いや、作者自身じゃん!


 ……すみません。

 まだ消化不良を引きずってるんです……



 と、いうワケで。


 設定でストーリーを構築してくのも大事だけど、『オチ』と『理由』を大事にしような! ってお話でした。


 ……そういえば、私はアンハッピーエンドが好きなので、私の作品も『気持ちいい』とは離れてるなぁ……

 ……。

 ま、人のふり見て我がふり直せだね。

 ハッピーエンド、考えてみよう……かな?



 以上!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る