9月14日 カクヨムコン 長編・キャラクター文芸部門について

 カクヨムコン 長編・キャラクター文芸部門について


 裏読みする前に。


 私はこの『キャラクター文芸』というものが何なのか分かっていない。


 なので、まずはそっちを調べることにした。



『キャラクター文芸とは?』

 →キャラクターに重きを置いた文芸作品



 ……???


 そうか。

 私はそもそも『文芸作品』が何かを知らない。


『一般文芸とは?』

 →調べてみたが、コレといった解説がなかった。



 そもそも、『文芸』とは『言語表現による芸術』『文学』

 つまり、小説全般の事だ。

 意味が広大すぎる。



 なので、他の部門と対比して、私の独断と偏見で考えてみると……


『ファンタジーでもホラー・ミステリーでも恋愛メインでもない、でもキャラクターをメインとした作品』

 だと推測される。

 カクヨムのカテゴリの中だと、『現代ドラマ』

『歴史・時代物』だ。


 魔法などの特殊なものはなく、あっても七不思議とかそのレベル。

 恋愛ではなく、人と人との関係や特殊分野をメインとした話、って感じかなぁ。


 その上『キャラクター』とついている事から、個性抜群のキャラたちが生み出す話、なのだろう。



 簡単そうに見えて実は大変なジャンルだと思われ。


 現実から外れちゃダメなんだよね。

 でもどれぐらいなら許容されるんだろうか?


 例えば『サトラレ』とか。

 あれもキャラ文芸に入りそうな気がする。



 さて、それを踏まえて裏読みしてくぜー。



 1つめ〜


『現実的な知識や職業経験に基づき、恋愛以外を主テーマとして、主人公やヒロインといったキャラクターが活躍する小説作品』


 ……これ、おそらく『キャラクター文芸』そのままの意味かと。

 つまりそれほど、ラノベ界隈では新しいジャンルって事なのかも。


 ……いや、そもそも『カクヨムコン』をラノベに限定していいものか?


 カクヨムはそもそもラノベには限定していない。

 ただし、このカクヨムコンについては、選考編集部がラノベ主体なので、やはりラノベをベースで考えるべきなのだろう。


 まぁなんにせよ。

『恋愛』ではなく、説明・ビジネス書にはならない、専門知識や職業をメインとした話。

 ただし、登場キャラに魅力ある事。


 って事かな。


 ……ここまで来て思ったけど『知識や経験、特殊ジャンルや専門知識を元に』っていう意味合いの文面が、

 今のところ全部の部門に含まれてるね。


 部門問わず、その系統の話が猛烈に求められている事は間違いないようだね。


 あとは、その背景が、異世界なのか、現実ファンタジーなのか、現実そのものなのか、の違いなのかも。


 仕事や研究分野を持つ人は、そこを狙うと良いかもしれないね。



 2つめ〜


『日々の私達の生活を豊かにする“知識ネタ”を題材として、主人公やヒロインといったキャラクターが活躍する小説作品』


 さっきとほぼ言ってる事は同じだよ。


 こっちは、どっちかというと、もっと身近な題材でって事かな。


 いつか見た、駄菓子をこよなく愛する女の子の話とかかな。

 文房具とかの話もあるよね。


 そういう、身近にあるものが好きすぎて詳しくてブッとんだキャラの話って感じかもしれない。



 そうそう。

 昨日からふと考えてたんだよ。

 これは、異世界ファンタジーだろうと現実ファンタジーだろうと同じ事なんだけど、

 読者を引きつけるには、全部が全部虚構じゃダメなんだよね。

 共感するところ、理解できるもの、納得できるものがないと、どんなものでもダメだと思うんだ。


『現実・身近にある面白いものを、派生させたり膨らませたりした話が』

 がいい。


 これは、昔言われた事があるんだけど、

『もっと身近な事から見直してみたらいいのではないか?』

 と。

 ドップリ妄想の世界に浸るのもいいけど、そうすると、読み手に世界観が伝わりづらくなって、ニッチなものになってしまう。

 ニッチな層に受ければいいけど、場合によっては独りよがり・自己満足、で終わっちゃうのね?

 それって、ただの自慰行為を他人に見せてるだけの気がするのさ。

 ……言葉がちょっと過激かな。お子様も読んでるかもしれないのに。


 自己満足も必要さ。

 自分の作品の一番のファンは自分であった方がいいと思ってるから。

 でも、こういう『コンテストに応募するもの』っていうのは、売る事を目的としているから。


 小説はあくまで『娯楽作品』

 人を愉しませないと。

 なら、他人が理解できる世界を構築する=まずは自分の身近なところからネタを探す

 という事が必要なんじゃなきかなぁって思うワケです。


 ……怒られたら消そうかな、ここらへん。



 3つめ〜


『専門業界や変わった職業などの知識・経験に基づき、その知識を活かした主人公やヒロインが活躍するビジネスライトノベル』


 ……言ってる事はやっぱ同じなんだよなぁ。

 ただ、コレは『ビジネスラノベ』って限定してる。

 つまり、『仕事』『ビジネス』に特化したヤツって事だね。

 でも、間違えちゃいけないのは『ビジネス書』ではないこと。

 あくまで『キャラ文芸』という所を忘れずに、魅力的なキャラが活躍するビジネスの話って感じだと思う。



 4つめ〜


『読者の求める要素をきちんと織り込んだ、エンタテインメントとして成立している作品を求めています』


 漠然としすぎ。

 ただこの文から分かることは、『エンタテイメント』を重視してるよって事。

 要はカタルシスを感じられるかどうか。


 面白い、と感じられるものかどうか。


 これは、現代に絞ってないから、歴史物を書く場合にも通じる話なんだと思う。

 例えば『花の慶次』とかね。

 それまでは全く注目されてなかった前田慶次という人物にスポットを当てている。

 これは歴史ものでありつつも、痛快活劇でもある。


 こうやって、今はあまり知られていないキャラを、独自解釈しつつ現実や歴史に即して、活劇ものにするのも良い、という事ではないだろうか。



 5つめ〜


『独創的で読者が惹かれるキャラクターが活躍する作品全般を求めております』


 また漠然としてる……

 まぁ、言ってる事は4つ目と大差ない。

 が、これはより『キャラ重視で』と言ってるのかも。



 6つめ〜


『特に20~30代の、ライトノベルを卒業した世代の女性が好まれる作品をお待ちしております。一例として、中華や平安の後宮を舞台に自立した女性キャラクターが活躍する作品や、現代日本を舞台にした和風ファンタジーとしてあやかしが登場し交流するなかで主人公の内面も変化していく作品、中高生~大学生が主人公のときめき切なくなる青春恋愛ストーリーなどを想定しています』


 ……コレ、現代ファンタジーじゃねぇの……?

 それか、恋愛部門。……恋愛部門より、恋愛以外の部分に注視してるって事かな……


 いや、そうでもないか。

 魔法とかが出てこない、現実に即してるけど、女性が活躍する歴史物・伝記物とかお願い!

 って言ってる?

 例えば『チャングムの誓い』とかかな。


 異世界部門にもあったけど、『後宮』って、人気のジャンルなのかなぁ……

 他の女を蹴散らして這い上がる話とかがいいのかな?


 あ。

 このジャンルでは『歴史的人物が実は女で』とかもあるかもね。

 男女逆転の『大奥』やドラマでやってた『女信長』とかね。

(どうでもいいけど、信長さん、女にされる事多い気がする)


 まぁ、ジャンル的なものを指定されてるので、ある程度描きやすいかもしれない。

 ただし。

 ファンタジーではないので、しっかりと歴史考察は必要だよ。

 しっかり裏付けをとって書かないとキツイね〜。



 7つめ〜


『物語の題材を選ぶにあたり、読者の顔が思い浮かぶかを考えて選べば、作者にとって明確に見えている読者層がターゲットとなるため、その人達に刺さるかどうかを基準に作品づくりを行えます』


 つまり。

 ターゲット絞れ。


 そりゃ出来るだけ沢山の人に楽しんで貰えるのがありがたいけど、

 性別、年齢、職業など、それ以外により好みは千差万別に分かれる。

 全員に好まれる話を書くなんて無理なのだ。不可能。あり得ない。無理無理無理。


 なので、明確にターゲットを絞って、全員にウケるワケじゃないけど、ある特定層には大ウケ、という作品を求めてるって事になりますな。


 例えばTSやBL、これらは明確にターゲットが絞られるね。

 学園ものを好むのは、自身が学生か、学生回帰願望のある人、

 社会人ものを好むのは、同じ社会人、とかね。


 例えば私が、IT社畜話を書くようなもんだ。


 IT社畜ではない人には面白くないかもしれないが、少しでも関わった事がある人なら「あるあるww」と笑えるような話。

 ただ、体験をそのまま書くのではただのエッセイになってしまうから、そこに魅力的なキャラを登場させ、かつ、カタルシスを含ませる、とかね。


 あ、私はIT社畜話は書かないよ……

 思い出したくないし、思い出せない部分が多いから……ははははは。




 キャラ文芸部門はこんな感じだね。


 ファンタジー系が『流行を作れ』と言ってるのに対して、こっちは『このパターンの新しいジャンルを』って感じだったね。


 ファンタジー系が、バックグラウンドを矛盾なく全部考えなきゃいけないのに対して、

 こっちは、現存する概念や背景、知識を、しっかり調べて間違った事を書かない事が求められるね。


 どっちが得意なのかは、書き手によるでしょう。

 自分が書きやすい部門を、しっかり見極める事が必要になりそうですねー。




 こんなもんだー。


 さて。

 あとは、自主企画のストーリー考えないと……


 ……だれか……この秋花粉の猛威を止めて……


 以上。

 ここまで!!!




 *** こっから独り語り。余分 ***


『文章が下手だから読んでもらえない』

『魅力的なキャラが書けないから』

『書き方が分からないから』


 そういう話を、カクヨムに来てから本当によく見るのですが。



 私は、それよりもなによりも、足りないものがあるのではないか、と問いたい事がある。



 昔私が物書きになりたいと、純然たる希望を抱いていた厨二病時代。

 習得しなければいけない知識の量に愕然とした事があります。


 当時はネットなんて便利なものはなかったので、調べるのは全部本でした。


 当時、行動範囲内にある中古本屋、学校の図書室から近所の図書館、公立系図書館と、行ける範囲の図書館に通いまくってコピー取りまくって資料を集めた。

 辞書も辞典も図鑑もひきまくった。

 それでも足りなかった。


 1本のストーリーを考えるには、1つの分野だけの知識では足りなかったのだ。


 物書きになるなら、一生勉強し続けなければならない。

 それこそ、研究職並みに。


 その事実に気づいた時に、私はあっさりその道は捨てたね。

 勉強好きじゃなかったから。

(……なのに、結局IT系という、一生勉強が必要な職業についてしまった……なんでじゃ……)



 ふとね。

 いろんな作品を読んでて、思う事があるんですよ。

(※自分の事は全力で棚の上にぶん投げます)



 圧倒的に言葉と知識が足りない人がいるなって。


 まず、言葉。


 難しい言葉を使えば、重厚な作品になるかといえばそうではない。

 だからと言って、折角ニュアンスを含む素敵な日本語が沢山あるのに使えないか使わないのも違う。



 そして、知識。


 例えばワンピースの作者の方は、海賊についてメチャクチャ細かいところまで調べてます。

 例えば鋼の錬金術師の作者の方も、錬金術を始め戦争の事も調べたり、実際に戦争へ出た方々の話を聞いたそうです。


 それら調べた事は、これ以上ない『リアリティ』を生みます。


 例えばね。


 剣での戦闘のシーンを書くとした時に、重力・空気抵抗・何もない空間で進む方向変えたりとか、物理法則ガン無視して作られた話より、

 実際に今存在する武道の動きを基にした方が、よっぽど面白いものが書けると思うのさ。

(※現在自分の事は完全に棚の上遥か彼方)


 フェンシング、

 剣道、

 薙刀、

 これ以外にも、世界にはたくさんの武術があり、かつそれらは色々流派があったりする。


 何か1つ参考になる武術を置いた方が、リアリティがあるし、

 そもそも論。

『読み手がイメージしやすい』

 と思うんだよね。


 リズム重視で早く流れる文字の中。

『分かりやすさ』って何よりも重要。


 書き手は自分の頭の中に画像が浮かんでるからいいかもしれないけど、

 読み手には文字情報しかない。

 リズム重視で少ない文字数で伝える為には、現実に即したもので書かないと難しいんじゃないかなぁ、とか思ったり思わなかったり。


 それ以外にも。

 病気を扱うなら、その病気の事をしっかりと調べなきゃいけないし、そもそもその病気の原因とか感染理由とか、直す方法とか色々あるし。


 とある作品でガンが扱われてたけど。

 その描写が適当で憤慨した事がある。

 私は身近な人をガンで亡くしてるから。

 最期の苦しみを見たから。

 ガン患者専門の病院に通い、様々な状態の人を見たから。

 ザツに扱われるとイラッとするのだ。


 最適な言葉を選んで

 最適な知識を使って

 ストーリーを組み立てる。


『ライトノベル』であろうとも、文芸作品には変わらない。

 読み口が軽めだったり、ターゲット年齢が10代だったりするだけで、

 決して『簡単』ではないし『適当』ではない。

 むしろそれじゃダメなんだと思う。


 今本屋で売られている作品の殆どは(一部を除き)、作者が膨大なる知識の中から最適だと思われる物を取捨選択して、研ぎ澄ませて、膨らませて書かれたものだと思います。


 だから、皆さんも、コンテスト大賞を狙うような作品を書く為に、

 沢山たくさん、調べて下さい。

 今はほら、ネットという途轍もなく便利な道具があるんですから。


 調べた事は、絶対に無駄になりません。



『時間足りないよ』という方々。

 そりゃそうだ。

 1つの作品の構想は、下手したら年単位で練られたものもある。

 大概面白い作品というものは、ポッと書かれたものではないのだ。


 サバコンですら時間足りなかったしね……



 だからもし、時間足りないよという方は、今から来年の作品の構想を練るのでもいいと思います。


 深く練られた作品とは、コシの強いうどんのように、食べ応え──読み応えのある作品になると思うので。



 ……え? 私?

 刹那的に生きたいタイプなので、年単位でネタを練るとか無理かなぁ……

 視野も狭いし知識も浅いしね。

 日本語も下手だよ。

 増長で回りくどいし分かりにくい。論点ドコよ? ってよく言われる。


 ……向いて……ないのかな……



『そんな事百も承知だべらんめぇ!』

 という方、すみません。



 ただ、若い人たちに、私にはない情熱と時間と体力を使って、素晴らしいものを書いて欲しいのです(そして読みたい)


 人生経験積んで来た方も、折角積み上げたその価値観を使って、深い話を書いて欲しいんです(そして読みたい)



 お目汚し、失礼しました。


 ではこれで〜。

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