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「気になる人に、告白? されて」
はいキター。なになに、詳しく聞かせて。
「実は昨日、同期に告白、みたいな事を言われて」
「告白みたいな事、とは?」
どういうこと? 本当の告白じゃなかったって事?
「うーん、何て言ったらいいか。でももうあれなんで、最初から説明しますね」
まとめるのが面倒だから最初から説明するってところが何となく関西人っぽいと思うのは俺だけだろうか?
「話は一昨日に遡るんですけど」
「四月一日ですね?」
「はい。実はその日、翌日の入社式の準備の為にちょっとだけ会社に行っていたんです。各部署から数人出てきますから十人ちょっと居たんですけれど、その中に同期が一人だけいたんです」
ほうほう。
「私の同期は男女半々くらいで何となくみんな仲良しなんですけど、その子はちょっとなんていうか、その、チャラいって言うか軽いっていうか。仕事となればきっちりするんですけれど、女性に対しては頭が軽いと言うか言葉が軽いと言うか何と言うか」
皆まで言わずとも分かる。女性から見てただの女好きのくそ野郎って事だろ。
「でもその子が急に声を掛けて来て言ったんですよ」
何を! サオリさんは少しだけ考えるように唇を噛むと、そっと開いて言った。
「最近、私の事が気になっているって」
「なるほど」
「で、いや、でも今日エイプリルフールやんってなって、あぁこいつまたしょうもないこと言うとんなって思って」
興奮しているな。関西弁が出ているぞ。
「その場はまぁ何言うとんねん、くらいで納めたんですけど。今日また」
「今日また?」
「・・・あれ、嘘じゃないからって」
言って来たんですぅぅ、と尻すぼみで恥ずかしそうに言う。
「どう思います? これ、うちただからかわれているだけですよね? 本気にするのもあほらしいですよね?」
でも、その言葉が出て来るってことは本気にしたいって思っているんじゃないのかな? なんて。
「サオリさん、知っていますか」
「な、何を?」
「四月二日はトゥルーエイプリルって言うんですよ。ご存知ですか?」
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