生体認証とは

 コロナ禍で何が困るかといえば、マスクを着用しているために iPhone の FaceID (顔認証)機能が使えないことでしたが、iOS15.4で(機種は限定されますが)マスクしていてもFaceIDが使えるようになりました。


 TrueDepthカメラが搭載されている iPhone に顔を近づけると、近接センサーが物体の接近を感知して、プロジェクターから赤外線ビームが投射されます。その数およそ3万本! ビームが作った(見えない)ドットを赤外線カメラが撮影し、その画像を処理して本人かどうかの確認を行います。


 先進の Face ID テクノロジーについて Apple.com

 https://support.apple.com/ja-jp/HT208108


 さて、FaceIDのような認証システムを、生体バイオメトリクス認証といいます。個人が持つ生物学的な特徴を認証に利用する方法です。私たちが普段何気なく個人を特定しているのは、その人の身体的特徴を捉えているからで、本能的に生体認証を行っているとも言えます。

 生体認証として認知度が高いところだと、指紋や瞳の虹彩による認証があります。ほかにも、掌紋、静脈、声紋、耳介などがあります。遺伝子DNA情報は、生体認証の究極かもしれませんね。他にも、犯罪捜査などでは、指紋鑑定やDNA鑑定のほかに筆跡鑑定も使われますね。テレビドラマ「科捜研の女」では歩き方の特徴で個人を特定する「歩行認証」がよく登場します。


 このように生体認証には、さまざまな方法・手法があります。それぞれに特徴や適した目的がありますが、共通する要件もあります。それが「普遍性」「唯一性」「永続性」です。

 普遍性とは、誰でもがもっているものということです。唯一性とは、その人だけが持っているもの、永続性とは、変化しない、あるいは変化が少ないものということです。例えば、ほとんどの人は指紋を持っていますし、双子であっても指紋は同じではありません。また、生涯不変であると考えられています。ただ、指紋の認識に限った話ではありませんが、高い精度で認証を行うには、とても高度な技術が必要になります。時間が掛かったり、大規模な機材が必要だったり。


 余談ですが、私が「Hey! Siri」と言うと、妻のiPhoneが答えてしまうことがあります。登録もしていないのに。認証には、こうした誤認証がつきものです。なので、高度なセキュリティが必要な場所では、複数の手法を組み合わせて認証を行うことになります。

 一方で、認証が「完璧ではない」ことが、ミステリーやサスペンスではネタになったりしますね。

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