プリンターの話(3)

 打撃によってインクを転写するインパクトプリンターに対し、打撃しないプリンターを『ノンインパクトプリンター』と呼びます。ノンインパクトプリンターには、『サーマルプリンター』『インクジェットプリンター』『レーザープリンター』があります。



 「サーマル」とは、熱とか温度という意味で、サーマルプリンターはヘッド上の点に熱を発生させて印刷する方式です。いわゆる熱転写プリンターです。サーマルプリンターには、熱を感じると黒くなる感熱紙を利用して印刷する感熱紙方式と、熱でインクリボンのインクを溶かし紙に転写する熱転写方式があります。一昔前に普及したワードプロセッサ専用機(ワープロ)には、熱転写プリンタが搭載されていましたね。


 サーマルプリンターは、インパクトプリンターのような打刻を伴わないため、比較的静かなプリンターです。ヘッドを高密度化すれば単位当たりのドット数を増やすことが可能で、ワープロでは24ドットや48ドットといった高品位なプリンターが搭載されていました。なお、密度が同じなら、ドット数を増やすことでヘッドもその分大きくなります。


 感熱紙方式は、インクリボンを使わないためランニングコストが抑えられるというメリットがあります。今でもPOSレジのレシート印刷などは、感熱紙方式のサーマル方式が使われています。ただし、印刷できる色は黒だけです。

 一方、インクリボンを使う熱転写方式は、インクリボンを替えることでカラー印刷も可能です。ALPSのカーラーサーマルプリンターでは、金色や白色といった、他の方式では出せない色も使えました。残念ながら、もう販売されていませんが。


 サーマルプリンターには、昇華型(あるいは昇華型熱転写)と呼ばれる方式もあります。熱によって気化したインクを用紙に定着させる方式で、フルカラー高精細の印刷ができます。ただし、印刷コストが高いという欠点があります。


 次回は、インクジェットプリンターについて。

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