難燃マグネシウムってなん(や)ねん

 く、苦しい……。

 それはともかく。難燃マグネシウムの前にマグネシウム(Mg)について少し。


 マグネシウムは、地球上で非常にありふれた物質です。身近なところだと、豆腐を作るときに使われる「にがり」、あれもマグネシウムです。また、便秘薬の主成分だったりします。

 マグネシウムは、重さの割に強い金属です。そのため、自動車のフレームやパソコンの筐体などに利用されています。マグネシウムを混合した樹脂を使ったテレビフレームなんかもありました。一方で、硬いためにプレス加工が難しく、かつてはマグネシウムの塊を削って使うこともありました。今はマグネシウムだけの筐体はないんじゃないかな?


 問題は、マグネシウムの削りかす、これが燃えやすい。簡単に着火して燃えてしまう。しかも、水に反応して水素を発生させるので、マグネシウム火災を水で消火しようとすると水素爆発を起こしてしまいます。あー怖い。


 マグネシウムの燃えやすいという性質を、なくした合金が「難燃性マグネシウム」です。難燃性マグネシウムは、従来の性質を維持したまま燃えにくくなっているので、マグネシウムよりも使いやすいといえるでしょう。

 そして、新たな利用目的として、バッテリーへの利用も考えられています。難燃性マグネシウムを使ったバッテリーには、加熱すると再生する、つまり繰り返し使えるという特徴があります。なので、太陽光やレーザーで加熱してリサイクルするエコシステムが検討されています。

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