28日目

今日は朝、

ご飯を食べていると、

ヒスイから、

今日は付き合ってほしいと言われたので、

今日はヒスイに付き合うことになった。

といっても、

昼に客が来るから、

その時に同席してほしい、

という内容だった。

というわけで、

昼までスズとのんびりしていた。

だが、

13時を過ぎても客はこなかった。

12時から一応、

私は研究所で待機していた。

ヒスイも待機していた。

ヒスイは待っている間に、

紅茶を淹れてくれた。

バラの香りが心地よい、

とても美味しい紅茶だった。

14時を過ぎて、

ヒスイが何やら部屋から出て行き、

部屋にひとりになった。

紅茶を飲みながらだれた犬みたいに、

机に突っ伏していると、

「君がナナ君かな?」

と声が聞こえた。

私は伸びをして振り返る。

そこには、

背の高いモデルのような女性が立っていた。

スタイル抜群の女性だ。

白衣を着ている。

「初めまして、私は鳳玉の上級研究員ネコメだ」

ネコメは私に近づいて握手を求めた。

私は椅子から立ち上がり、

ネコメに手を差し出すと、

差し出した手の手首を掴まれ、

そのまま身体を引き寄せられ、

抱きしめられた。

「ふむ。抱き心地はなかなかいいな」

そう言って、

ネコメは私の身体をさすっていた。

すると部屋にヒスイが入ってきて、

「ネコメさん。来るなら入り口から入ってきてくださいませんか」

と言った。

「細かいことを気にするな」

ネコメは私を離した。

「さて、私が来た理由は、もうナナ君は知っているのかな?」

ネコメはそう言って、

私とヒスイを交互に見た。

「この施設にいる誰も、ネコメさんがどうしてくるのかという理由は聞いていませんよ。ナナさんを用意しておけとしか、連絡はきていません」

ヒスイはそう言ってため息を吐いた。

「まったく。鳳玉の仕事の遅さにはうんざりする。誰も私の真意を理解しようともせず、仕事ばかりを押し付ける。もっと私の意図を汲み取れる人材を用意しておけとコンゴウに言っておけ」

ネコメは何やら毒づいている。

「では早速だが、ナナ君。地下の施術室に行こう。用意は出来ているな、ヒスイ」

ネコメはそう言って、

私の背中を押した。

「一通りの準備は完了しています。何をするかは聞いていませんが」

ヒスイもちょっと毒づいた。

そして、

私達は地下の施術室にやってきた。

何やら見慣れない道具がたくさんある。

「さて、ナナ君。裸になってくれ」

……。

大真面目で言われた。

ヒスイも突っ込まない、

ということは、

つまり、

裸になれということだろう。

……。

私が黙ってどうしようか迷っていると、

「ネコメさん。裸になる必要はあるんですか?」

ヒスイがそう尋ねた。

「ない。私の趣味だ」

ネコメはそう言って腰に手を当て、

胸を張った。

……。

「裸になる必要はないようですから、そこの寝台に横になってください」

ヒスイにそう言われたので、

私は寝台に横になる。

「それで、何をするんですか?」

「スキャン」

ヒスイの質問に、

ネコメが一言で答えた。

「だが、これを使う」

そう言ってネコメは、

着ていた白衣のポケットから、

USBメモリーを取り出した。

「特殊スキャンですか。何をスキャンするのです?」

「内緒」

ヒスイの質問に、

再度ネコメが簡潔に答えた。

ネコメとヒスイは大きな機械を動かして、

何やら操作している。

寝ている私の体の上を機械が通り過ぎたが、

特に何もなかった。

30分くらい経った頃、

「終わったぞ」

とネコメに言われた。

どうやら、

もういいらしい。

「結果はすぐに出ない。まあ、早くて明日ってところか。それまで紅茶でも飲んでるといい。ああいや、24時間も紅茶ばかり飲んでいては不健康だな。時折コーヒーも飲むといい」

ネコメはそう言って、

もの凄いスピードで、

パソコンのキーボードを叩いている。

というか速すぎて、

指先が見えないんだが……。

「ああなってしまったらネコメさんに話しかけても無駄ですね。とにかく、用事は済んだようですし、今日はご苦労さまでした」

ヒスイはそう言って、

何やら施術室の後片付けを始めた。

私は、

やることもないので、

地下から1階に戻った。

外に出ると、

クジャクとスズが、

バドミントンをしていた。

というわけで、

私も一緒にバドミントンをして遊んでたら、

一日が終わった。

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