「かきいれ時」ってどんなとき?

 第一回のお題は「かきいれ時」

 飲食店ならお昼時や、連休などのお客さんがたくさん入る時期や時間帯のことを指す言葉ですね。


 何でこんな微妙なお題を? とお思いでしょうか。実はこれは、私がこの単語を調べたときに、「日本語というのは困ったやつだな!」と思ったのが、この講座の発端であったりするからです。


 さて、皆さん「かきいれ時」

 これって、どんな漢字を当てるか知っていますか?

 知っているという方も、知らないという方も、一度頭に漢字を思い浮かべてから先へ進んでみてください。漢字表記なんてないよって方は、ひらがなでもかまいませんよ。

 さあ、準備はいいですか? それでは……


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「書き入れ時」


 広辞苑等の辞書を引くと、こんな表記になっています。皆さん、想像と一致していましたか?

 ちなみに私は「掻き入れ時」だと思っておりました。お客さんを自分の方に掻き込むようなイメージだと思ったわけです。


 では、なぜこんな漢字なんでしょうか。「書き入れ時」って、一体何を書き入れるんでしょうか。


 実はこれ、帳簿のことなんです。帳簿というのはつまり、売り上げを記載するノートのことですね。お客さんがいっぱい入るから、帳簿にたくさんお金の出入りを書き入れなくちゃならない……だから「書き入れ時」なんですね。


 う~ん、説明を聞いても、やっぱりちょっと変な感じ。

 正直言って、誰か「書き入れ時」って書いてたら「それ、誤字じゃないですか?」って言ってしまいそうです。

 合っていても間違ってる感じがするとは、何とも奇妙な……。

 全く、日本語って困ったものですね。

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