不透明人間

 『透明人間』のパロディで、『不透明人間』という作品のアイデアを思いついた。

 その世界では、人間はみんな生まれたときから透明なのが当たり前なんだけど、ある科学者が人間を不透明にするクスリを発明するんだ。

 ついにクスリが完成して、科学者は自分でそのクスリを飲むんだよ。

 生まれて初めて自分の姿を見ようと、わくわくしながら鏡の前に立った科学者がそこに見たのは小太りの男、つまり「太め人間」だった、というオチなんだけど。


 わっかるかなあ。わかんねえだろうな。

 つまり、「ふとうめい」と、「ふとめ」を掛けているんだけどね。


               ……


 もうひとつ、『半透明人間』というのも考えたんだ。

 これは人間を半透明にするクスリを外国人の科学者が発明するんだけど、その科学者の名が韓国朝鮮系の名前だった、というオチなんだ。


 わっかるかなあ。わかんねえだろうな。

 つまり、「半透明人間」と、「半島名人間」を掛けているんだけどね。


               ……


 あ、そうだ。『透明入間』というのはどうだろうか。これは埼玉県入間市がある日突然見えなくなるという話なんだけど……。

 やっぱり駄目だね。こんなのは誰でも思いつきそうだ。現にネットで検索してみたら、いくつかあったもんな。


               ……


 余談なんだけど、子供のころ東名高速を、透明高速だと思ってたな。


               ……


 あ、そうだそうだ。

 『透明人間』とは何の関係もないけど、『愛の冬』というタイトルのミステリーを思いついた。

 ある人が路上で謎の人物に襲われる。ナイフで刺されて虫の息のところを一人の通行人に発見されるんだけど、犯人はすでに逃げてしまった後。

「大丈夫ですか。誰にやられたんですか?」

 通行人の呼びかけに被害者は息も絶え絶えに、「あ、愛の冬は、」 と、謎の言葉を残して死んでしまう。

 警察は「愛の冬は」が犯人を示唆するダイイング・メッセージだと判断して捜査を進めるが、何の進展も得られない。

 そこへ名探偵が登場して、鮮やかに「愛の冬は」の謎を解くのだ。

「簡単なことです。被害者は最近日本に来たばかりの外国人、そして被害者の死を看取った第一発見者が海外でも有名な芸能人だった。この二つの手掛かりから得られる答えは唯一つ。被害者は、『愛の冬は、』と言ったのではなかったのです」

「ではなんと言ったのですか?」捜査官が尋ねた。

「被害者は、『I know who you are!(私は、あなたが誰であるかを知っています。)』と言ったのです。第一発見者がその言葉を日本語の『愛の冬は、』と聞き間違えたのです」

「なあんだ、そうだったのか。あっはっは。で、犯人は誰?」

「わかりません」

 事件は解決した。

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