「テクノブレイクで死んだ俺の異世界絶倫無双 2」★★★★

 今回読んだのはモアイノベルス出版、月見日和先生の「テクノブレイクで死んだ俺の異世界絶倫無双 2」です。ストックがある分刊行スピードも早いですね。大判でこの早さをやられちゃうと財布の心配ばかりしてしまいます。

 それはそれとして、前巻収録分で見せつけた酷さは落ちるところか磨きを増し、今回もまたとんでもない内容でございました。

 以下あらすじ。



 ――――


 隣国への献上品を考えて欲しい――国王からの勅命を受け、本能猛ほんのうたけるは隣国の王子の成人の儀に際した贈答品を考える大役を背任する。そして、何の迷いもなく彼は答える。「よし、ならばオナホだ」と。

 異世界史上最高のオナホを作るため、本能猛とドローセアは危険も顧みずその飽くなき探究心で魔獣とトラップ、汁の溢れる国内最凶のダンジョンを突き進む。果たしてその先に、恍惚たる絶頂いただきはあるのか……。

 どんな事情も情事で解決、本能猛の絶倫ファンタジー第二弾!


 ――――



 開幕取って付けたような女騎士ニータと女神相手の濡れ場がありましたが、まぁそれはそういうものとしてここでは割愛。


 さて……あらすじの時点で狂ってんなこの主人公。なにが「よし」だよ、しだよお前は。


 今回の絶倫無双は、国王からの命で隣国の王子への贈答品となるオナホの(この時点でおかしいが)その至高なる素材を国内を巡り歩き探求する冒険メインなストーリーです。

 まず読み始めて一番驚いたのが、前巻で唯一本能猛と渡り合ったあの魔女・ドローセアが猛と意気投合して仲間になっているというところ。マイナスとマイナスを掛けてプラスになればいいものを、結果は四十五度傾いて×バツに終わっています。


 そういえばこの主人公、オナホの使いすぎによるテクノブレイクで死んでるんでしたね。なにその伏線になりきれてない伏線回収……つまるところ、こいつは自分の死因となった物を相手国の王子に送りつけようとしてるわけだな? ヤバいな?

 いかんせん猛はオナホに対して「自らをこの高みに登らせてくれた恩人」と思ってるし、オナホをよく知らないこの世界の人間達も猛の言うことを鵜呑みにしてしまうから止める人間がいない。圧倒的ツッコミ不足。


 もう一人の性の求道者であるドローセアも女性器を模した玩具という発想そのものはあったらしいのですが、その素材について深く考えたことは無かった模様。その素材を探すため、二人は国内を練り歩くことになります。


 何でしょうね……この猛とドローセアのコンビ、すごく相性が良くて息ぴったりなんですけどいかんせん会話の内容が全部猥談なんですよね。中高生男子でもさすがにもう少し比率は少ないぞというレベル。市場で通りかかる人達の行動と身だしなみから夜の営みの傾向とかを徹底考察している時点でこの作品は最低極まってます。


 そうこう(市場の様々な素材からドローセアが魔法で成形し、猛がテストという名のゲフンゲフンをする)するうち、二人はスライムの肉塊に辿り着きます。

 そしてより鮮度の良いスライムを手に入れるべく、二人、そしてそこに女騎士ニータを加えたメンバーで国内でも最凶と謳われる地下ダンジョンに向かうことになります。『その先に何が待ち構えようとも、俺にとっては穿つべき穴が一つ増えたに過ぎない』という地の文はさすがにアウトだと思います先生。


 ダンジョン内では、スライムの多様性をいいことによりどりみどりな性癖のオンパレード。テスト役としての猛はもちろんとして、護衛であるニータまでもが特段意味の無い、挿絵のためでしかない淫行が展開されます。


 ついでのようにダンジョン最奥のボス魔獣を感度三千倍秘孔突き&ドローセアのメス堕ち洗脳魔法により見開き一ページ(ニータの触手陵辱シーンの五分の一ですね)で倒し、ダンジョン内に生息していた、人間の男性器に吸い付き精液を栄養として生活するスライムを複数匹捕獲して帰還する一同。そしてそれを隣国に贈答したところで、この巻はエピローグへ。


 ……ひどいね。他に言うこと無いよ。


 ただしかし、エピローグで物語を急激に動かしてきたのはそれまでの汁ぐっしょりなストーリーから変わりすぎで驚きましたね! 

 隣国王子のテクノブレイクによる急死、責任を追及される猛とドローセア、そして今巻では息を潜めていた第二王女から持ちかけられる逃避行! そして再び現れた女神から告げられる、猛の先に待つ限界点……。

 国をその絶倫一つで意のままにしていた猛が、一点追われる立場になってしまいました! くそっ、九割九分下ネタだったのに、最後の最後だけで続きがすぐ読みたくなるようにしてくるなんて……!!


 いやー、今回もひどい面白さだった。三巻も早く読みたいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る