正直読み進めるのが怖い。しかし、目が離せない。細かい描写による、狂った心理に溢れる恐怖感。これがファンタジー世界へと繋がって、そして。こういう話苦手だったのですが、読めてしまいました(笑)
主人公、ユリカが狂愛に身を任せ、異世界を舞台に想い人を求めて奔走する……その生き様を描いた物語。何よりこの作品の魅力は、どこか中毒性のある作者様の文章力にあると感じました。生々しく刺激的で、各話ごとにやみつきになるような読後感があります。そしてユリカの複雑な内面の描写も圧巻で、同時に他の登場人物と関わる中で、彼女の精神性がさらに浮き彫りになって行く。どんな結末を迎えるのか、全く予想できません。ゾクゾクさせてくれる、非常にスリリングな作品です。