第79話わくわく!

 母が高校の非常勤に受かったので、また勉強をしている。その参考書は学生のためのものではなくて、これから大学へ向かおうとしている学生を教える教師のための参考書なのだ。で、わくわくするので彼女が家を空けている間に、ちょこっと中身をのぞいて見た。

 ……わかりやすい。動詞の説明から始まっている。他動詞と自動詞の見分け方からだ。


 他動詞は動詞の後に「私は買う」「え? なにを?」と聞き返したくなる動詞だそうだ。わかる。英語ってそうだよね。そうでないものが自動詞。


 わかんない単語があるのでチェックしてノートに書きつけるとPCで翻訳してもらう。楽しい。

 母が英語が好きだという理由がわかる気がした。

 楽しさに恵まれるというのは、あらゆる苦痛を忘れられる。

 これは勉強が楽しい。

 他動詞のapproachを単語帳に書つけ、練習する。

 冲方丁さんの「マルドゥックスクランブル」のドクターとウフコック、バロットを例文に加えて翻訳すると、ウフコックとバロットはそのままカタカナで出てくる。

 ウフコック approached バロット with the enforcement of scramble 09 with a doctor.

 と十回書きつけ覚えた。あと、バロット approached the lake with him. と数回。

 前者は持ちかける、のアプロ―チで、後者は場所的に近づく、の意味合いを持つアプローチである。ためになるね。


 一日ひとつでも覚えられれば、一年で365語、覚えられる。

 馬鹿には馬鹿の戦い方がある。

 わくわくだぜ!

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