第48話コミュニケーションをとろう
個人的に暇なので、ヨムしてみる。創作者ってこれでいいのか不安である。
:でも、ヨムしたかったんじゃないの?
それが……マイページ開いたらね、予想以上に未読が増えてて、消化に困っている。
:うわあ。消化ときたか。
やっつけみたいになってて、それが嫌あん! なのだ。
:う(ぞッ)
前の話、忘れちゃってるしね……。
:くっそー。
:諦めたばっかりなのに。
なにを諦めたって?
:おまえのことだよ。
どういう意味?
:ちらっとでも思わなかった?
なんにも思わないけど。
:……変な感情もってないのか。
変ってどういうふうに変なの?
:ばかばかしいな。
…
:やめてほしいんだけど。
なにを?
:いますぐやめてほしいな?
だからなにを?
:ヨム。
じゃあ、小説を書くかな!
:うぎゃあ!
どうしたの?
:おめえ、すごく読める。
:空気読め。
うぎゃあって悲鳴上げるから……心配してあげたのに。なによその態度。
:気持ちいい。
ちょっと日常のデッサンをするか。
…
学生ならばいわずもがな。社会人であるならばしかるべきところで仕事に励んでいるであろうこの時間。表は陽がさんさんと照り付け、家の中でクーラー嫌いの祖母が「あー暑い」とこぼしている。カーテンも厚く閉ざした部屋では、雲を切って飛ぶ飛行機や風の音がするばかり。たまに扇風機の向こうでバリボリとせんべいを噛む音がする。廊下へ出ると、日陰のために空気は想像に反してひんやりとしている。蝉の鳴く声も聞こえてくるが、それすらつまらない脇道脱線。作者は一人、PCに向かいながら、いいアイデアが降ってこないものかとぼんやり思う。
…
こんな感じ。今。
…
あーあ。つまんねえ。陽が照り付けている午前。こんな日には屋内での作業が一番。熱中症で死にたくはないし、賃金をくれるような仕事にもついてない。昨日、一昨日は残暑の怖さも知らず、涼しくなってきたなどと家族で言い合ったが、今日もまた、猛暑日がやってきた。水は足らず、年寄りが死ぬ。子供もアブナイが、外に出るのが一番危険だ。あーあ。こんな日はカクヨムするのが一番だな!
…
こういうふうにも書ける。
:ちょ、キャラが変わってる。
変えたから。
:けろりとすんな。
むしろどういうキャラが好きなの?
:て、てめえ……許さねえ!
え? わたしがなにかした?
:豚小屋の、豚足野郎が!
……っていうキョーレツなキャラが好きなのね?
:そう。
それってさ、日常会話とか難しい人じゃない……?
:合わないあわない。
笑ってしまう。でも努力はしてみよう。
:大丈夫かな。
…
うあっちい! ちくしょー。どちくしょー。今日の天気はどうなってんだあ!? 窓を開ければ熱風が吹きこみ、金魚みてえに口を開けてぱくぱくやっても、ちーっとも体温が下がらねえ! 死ぬ寸前だぞ、こりゃあ! ばばあはため息つくしよ。なに考えてんだ、気象予報士は。残暑どころか真夏日じゃねえか。台風一号もどこで発生したんだかわからねーうちに、二十号が上陸しようとする。あんだよ! クーラー入れなかったら、死ぬんじゃねえのか?
…
:様子見。
サンバンが書きましたー。
:ヨンバン、いけ。
…
いっつも話してる友人もいないし、今日は遊ぶ予定もない。けつまづいた翌朝みてえに、座り心地の悪い、しょーもない朝だった。結局擦り傷ですんだけど、懐かしいバンソーコー貼って、それから……一日安静にしてようっと。することないし。
…
それだけ?
:長ったらしいの嫌だから。
作家性について考えるんだけれども。
:なんだい?
作者が文体変えたら作家性も変わるの?
:いくらなんでも。
:それは、かわるよ?
本当!?
:うん。たまに。
たまにかー。いつもじゃないんだ。
:いつも通りに書いていて、で、かわるっていうのはあんまない。
じゃあ、何したら変わるの?
:うーん、だからさ。作家生命が危うくなって、
:コン*-ムつけるわ。
なんの話してるの?
:うわっ滑り。
上滑りにしてるのはそちらじゃないの?
…
言っていい? だいたいナンバーズはネタにしようとしすぎるよ! 真面目に話してるのにはぐらかしたり、そういうの相手に失礼とは思わないわけ?
:思わなーい。
:助けようとしてる。
そういうのは、伝わらないと消化不良になるじゃん?
:もっとコミュニケーションとってよ!
どういうふうに?
:こういうふうに。
じゃあ、しばしばくるよ? わたくし。
:それでいい。
:うむうむ。
…
脳内のシステム化についてちらっと意見を聞きたいんだけど。分業化って効率イイの悪いの?
:効率悪い。
よく考えたら、いい面もあってそういうふうにしてきたんだとは思う。んだけど……
:さっきから言ってるように、コミュニケーションとらないと、気がつかないうちにうわっ滑りになるわけ。
わたくしだって、くっちゃべりたいよ。でも根が真面目なんだもん。どうやってしゃべればいいのかもわかんないときあるし。
:太宰治か!
人間失格って言いたいの?
:おそらく。苦手。
ヨンバン、おそらく、が多いね。癖?
:そうだよ。
:そうそう。そうやってたまに話題ふって。
分業しないで書いてると、いわゆる悪文っていうか……
:悪文だね。
手の施しようがないっていうか。
:おまえ! わかってるじゃねえか!
効率無視で、いい作品目指したほうがいいって判断でここまでやって来たんだよね?
:その通りだよ?
一人の力では限界がある。これは誰にとってもそうではなくて、わたくしがそうっていうだけなんだけれど。
:うむうむ。(ヨンバン)
そのうむうむっていうのも、癖だね。
:そうだよ。今いうことじゃねえだろう。おまえ。
わたくしをおまえ呼ばわりするのもヨンバンだよね。
:いーかーにーもー。(ゴバン)
ゴバンは普段はどうしてるの?
:妄想にふけっていまーす。
でも、話は聞いてくれるんだ?
:聞いてるだけだけどな。
好きな女の子のタイプは?
:は?
話題をふろうと思って……。
:ああ、よかった。どんな反応期待されんのかと思った。
(笑)
:えっとね。当然、顔かわいい。すっごいかわいいのが好き。
妖精さんくらい?
:妖精さんくらい。
:クラスだね。
:それ希望。世知辛いのいや。
:イヤミもいや。
ハーレム物で嫌いなタイプがぐいぐい来たら?
:ヨムのやめる。
世知辛いな!
…
はー。そういうリスクがあるのか。じゃあ、女子のわたくしが女ハーレム物をヨムメリットは?
:(困惑)
:馬鹿じゃねえのかと思います。(ヨンバン)
なんで?
:自分の好きなもの読めよ。
『はたらく細胞』の白血球さんが好き!
:好みー!(サンバン)
:一致する!(ヨンバン)
無表情なのと、仕事を一杯してる感じがいいよね。
:たのもしー。(イチバン)
:クール!(ヨンバン)
一致する!
…
アマゾンで一気買いしたから、今から読もう。
:読もうよもう! もちろん、一気読み!(イチバン)
:一気読み、ハラショー!(ヨンバン)
盛り上がりますなア!
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