第7話 世界のことを今頃大雑把に説明された

「さて、この世界の神様は一柱のみで、名前は特に伝えられていません。

 輪廻の神だとか、創造の神だとか、始祖神だとか様々な呼ばれ方をしていますが、特に定まっていません。ですが、国ではなくとも少からず信仰している場所はあります」


 名前が無いのかよ、この世界の神。


「見た目からして、死神と言われています」


 見たことあるような……あのリア充爆発しろとか言ってたやつじゃ無いだろうな?


「女性です」


 人違いだと思いたい。


 俺とリーベ、いやミヤビをこの世界に送り込んだのは、母さんの言っている特徴とよく似ているからな……名前が無い、死神のような見た目、女性……やっぱり似ている。


「なんでそんな重要なことを教えてくれなかったんだ?」

「本で読んだかと」

「そんなことは知らない」


 そもそも家に物語とか常識が載っている本があることすら知らなかった。物心ついたときに前世の記憶が戻り、さらにそのときにはすでに個々の部屋を持っていたから、本自体が家にあることは知らなかった。


「違うわよ。村の図書館にあるわ。地下だけど」


 想像していたよりスケールが大きかった。しかも地下に図書館があるとか……明かりとか手入れとかどうしているんだろう。


「手入れとかは村長の家系が代々やっているわ。そんなことも知らなかったの?」

「教えてくれなかった誰かさんのせいで知りませんでした」

「あら、誰かしら」


 すっとぼけている誰かさんこと俺の母さん。いや、これが素なのかもしれない。

 母さんは見た目が綺麗だから、きっと美少女に間違われるのだろうが、あいにく美少女という歳じゃない為、美女の類に入るだろう。

 だけど、こんな性格だからヒロインには向いていないな……いや、残念系ヒロインならイケるか?

 いやだめだ。その枠はミヤビが入っている……いや、ミヤビは変態系ヒロインかもしれない。人の衣類を盗もうとするし。


「大陸がバラバラにされたって言ってたけど、大陸名とかあるのか?」


 地球だったら、ユーラシア大陸とか、オーストラリア大陸とか、南極大陸とか色々あるだろうが、この世界の場合どうなるのだろうか。元々一つの大陸だったらしいし。あれ?地球も元々一つの大陸だったんだっけ?


「んー、色で決まってるわ。

 人間が住んでいる大陸は青の大陸。

 獣人が住んでいる大陸は赤の大陸。

 亜人が住んでいる大陸は緑の大陸。

 魔人が住んでいる大陸は黒の大陸。

 ここ、辺境の村があるのは白の大陸。


 大陸の間は結構離れているから、戦争とか起こる可能性は低いんだけど、それでも種族間の仲は悪いそうよ」


 待てや。今何て言いやがった?

 辺境の村があるのは白の大陸って言ったか?

 つまり、この村は他の国に属してないのか?


「この村だけ、何で他と離れているの?」


 ミヤビ……じゃねーや、リーベの質問に、母さんは「良い質問ね」とか言って笑顔で答えた。


「この村こそが、『死の精霊』と『生の精霊』を封印した場所だからよ

 ちなみに、他の四つの大陸からかなり離れているわ」


 な、何だってー。

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