第4話 書籍化できるもん!

 書籍化するから本を売りたいけどあんまり人気ないからとりあえず炎上でもしよかな! とこれを書き始めたんだけど何書いても地味な性格が災いしてとても炎上しそうにないしただただもともとの読者の人に嫌われるだけなのでは? と思えてきた。悲しい。嫌いにならないで。これを読んで可哀想に思った炎上させるのが得意な人は炎上して私の本を宣伝してね! ありがとう!


 それはともかく前回血を吐くような思いで批判的に自分の小説を読み返した私(そりゃお名前つけのほうがつらいけど書籍化体験記書いてる人たちこの過程についてなんも言及してなくてすごない? 天才を超える天才なのか? 私の代わりにお名前つけして?)は自分の小説を本として出版するにはどういうふうに直したらいいのかなんとなく理解した。私の小説、全体的にめちゃくちゃ趣味で書いてる感あるわ超面白いけど(絶対そこは譲らねーからな)。

 激きゃわプリティボーイこぐまちゃんとの愛ある生活のためになかなか家を空けることができない身とは言え「流石に一回ぐらいは会いません?(意訳」みたいなメールをもらったし「私もさすがに一回ぐらいは会いたい……」と思ったので会うことにした。なんとなく編集の人って夫(激務の会社員。可愛くはない……かな? どう思う?)と同じサイクルで動いてるイメージあったから「平日しか会うの無理やん」って聞く前から思い込んでたけど兼業作家の人も多いだろうし意外と休日に会おうと思えば会えるのでは? と思ってメールしたら普通に休日に会うことができた。焦った焦った一回も使ったことない一時保育使わなきゃいけないかと思ったわ(ところで保育料経費にならないってまじ? やばない? ならない理屈もなんとなく理解できるけどやばない? 石油王まじなんとかして私のための出版社も後回しにしていいからあとお名前つけもして)。

 関東に住んでるので編集さんがうちの最寄り駅のカフェに来てくれた。出かける前は化粧せなあかんかな……と思ってたけど家にいるとこぐまがもちょもちょまとわりついてくるので(ほんともちょもちょって感じで可愛いのだ~)すっぴんで行ったのだがカフェで落ち合った編集さんはめっちゃおしゃれだった。でもカクヨムで書籍化体験記書いてる人誰一人として化粧してる様子なかったわ私もしなくてなんの問題もない大丈夫大丈夫。

 とりあえず挨拶してレーベルの本を四冊もらった。わーい。富士見L文庫の表紙って可愛いのだ。なんか空間を活かした感じのデザインがされているものが多くて……いいよね……(日本語が苦手)みたいな話もした。キャラだけが前に出てるのよりも空間にキャラがいる感じのが好き。

「ねじちゃんってすぐに調子に乗るよね」

 と昔からお母さん(可愛い)に言われてるねじちゃんだけどなんか緊張ついでに打ち合わせと言う響きにテンション上がってべらべらべらべら余計なことまでしゃべって、休日のカフェ割と混んでる上に隣の席と近いからちょっと気まずかった。隣の人ごめんねごめんねでも正面の人(編集さんって意味ね婉曲表現を解説してあげる親切な天才だからねじちゃんは)もいささか引いてるような気がした。そもそもねじちゃんって文面と会った時のテンションが違いすぎるからな。これ読んでるだけの人は想像しにくいかもしれないけど文でそこまで親しくない人とやり取りするときの私まじでそっけないから。疑ってるなら応援コメントでも入れてみて(遠回しの催促)。

 当然余計じゃないことも話したんだけど「いただいた改稿案の意図するところって主人公が夫と出会うことによる成長が見たいのと夫のバックボーンを見せてこの二人に相互作用を起こさせてほしいってことですよねライト文芸ってキャラクター大事ですもんね現状だと主人公の心象風景みたいなものが続く感じで起伏ないですもんねもともといつ終わらせてもいいように書いてたからしょうがないんですけどそう考えると一回挫折した過去エピソード入れるのはいいと思いますその方向でやりますねあと章立てしてほしいっていう提案ですけど食べ物の話が多いんで章ごとに季節感出してみようかなと思いますあと具体的な描写がないんでわかりにくいかもしれないけど平成一桁ぐらいの時代のイメージで書いてるんですけどそこ具体的にしたほうがいいですよねいや現代にするのは無理なんで具体的に年代決めますねあとレーティング的に性行為とかってどの程度書いていいんですかいやあんまり書くつもりないんですけど念のために教えてください現状ぐらいはOKですよね」みたいな感じで相手の話聞かずに勝手にべらべらべらべらやってしまった。相手の口から改善点とか聞かされるの嫌なの! 怒られたくないの! 怒られるなら自分から先に自分の悪いところ話したいの!(ねじちゃん、編集さんはお仕事の話をしているだけで怒っているわけではないのよ)

 編集さんが口挟む気力なくなったのかねじちゃんの洞察力が優れていたのかどっちかはわからないけどおおむね「いいんじゃないですか!」みたいな反応だった。なんか……でもあれなんだ……あれなんだよ……突然ネタバレするけど書籍化体験記みたいなのいっぱい読んだら「編集さんに逐一指示してもらって話し合った」みたいな話多かったからウェブ小説の書籍化ってみんなそういう感じなのかと思ってたけど私のケースではそういうのあんまなかったんだよ! 割と自由なレーベルなんだと思う! 日常的な話で推理とか専門知識とかそういう考察必要なものもあんまなかったからかもしれないけど! それか単なる出版点数増やすための要員で中身はどうでもいいのかもしれないけど!(突然必要以上に卑屈になるな)

 めちゃくちゃ一方的な話し合い(?)を終えて編集さんとは駅前でお別れした。そのときに「やっぱちょっと不安なの……(意訳」ってこぼしたら「基本元の小説の感じで大丈夫ですよ!」みたいなこと言ってもらった。いい人。泣ける。

 いやでもさっきの打ち合わせで私がべらべらべらべらしゃべった変更点だけでも結構な大手術じゃん……? 元の感じのままでいいならそのまま出版してくれや……。(ねじちゃん、編集さんが言いたいのはねじちゃんが思う「日当たりのいい家」の魅力や雰囲気はそのままでいいってことなのよ。これは作業が楽かどうかの話じゃなくて作品に対するねじちゃんの思い入れを尊重してくれるかどうかというお話なのよ)(わかってるよーそれは……)

 そういえば大事なこと書き忘れたんだけど私がこぐまと同居中ということを考慮してくれたのか刊行は次の春ぐらいねという話になった。最初に話来たの六月(打ち合わせは七月)だからこれって相当ゆっくりなのでは? 十一月に別のレーベルで出してる人が六月に話来たって話してたし。急いでる人ならともかく私には都合がよかったです。

 ていうかそれ以外にもいろんなこと書き忘れてるの今思い出したから次回は書き忘れたいろんなことの話するね! あと今まさにこぐまがキャンディタイプのチーズをほしがって冷蔵庫の前で「ちーずーたーべーたーいーのー」って色んな抑揚で連呼しててきゃわです。でももうあげないよー(ほっぺぷにー)。

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