閑話

がんばるろーぐVR相談コーナー そのいち(メタ有)

「皆さん、やっほー。VR相談室のお時間です。お相手は私、コートニーとレイちゃんでお送り致します」

「あ、これも復活するんだ……」

「意味が分からない人も居ると思うので説明しますが、このコーナーは別の小説サイトで作者が読者を呼び込もうとして書いた相談コーナーです。

 登場する人からの相談を、レイちゃんがズバッと解決します。今回は一章が終わったので、あとがきの替わりに放送する事になりました」

「小狡いよな。結局、ランキングには乗ったけど、あっという間に落ちて評価には結び付かなかったんだろ」

「そうね……あの時は不正で水増しした小説が暴れ回ってて、日間ランキングが凄い事になってたから……」

「へぇ、そうだったんだ……この作者ってさ、不正している作家の事を死ぬほど嫌いらしいじゃん」

「そうみたいね。不正作家にランキング一位を潰されてから、心底嫌っているらしいわ」

「もう、三年近く前の話なのにねちっこい性格だよな」

「だから、こんな捻くれた小説が書けるんじゃないかしら?」

「まあ、まともな性格なら一話目でいきなり首絞めボイスとか書かねえな。ところで、何でこの小説をカクヨムで書くようになったんだ?」

「その回答も含めて、最初の相談です。相談者は乾物屋さんからです」




『こんにちは。私は東京の郊外に近い場所で乾物屋を経営しながら、ネットに小説を投稿している一発屋作家です。


 前の小説投稿サイトを出た理由? 特にこれといった理由はないかな?

 しいて言えば、コンテストに落ちてモチベーションが低下したところに、偶然見た完結済日刊ランキングが異世界(恋愛)ばかりで……「あ、これ、俺の小説って絶対日の目を見る事ないじゃん」と、思ったのが理由です。

 まあ、カクヨムでも既に二回コンテストに落ちてるから、どっちにしてもダメなんだけどね。


 まあ、私がカクヨムに来た理由はさておいて、実は前作『スカイ イズ ザ リミット』を書き終えた後、もう小説を書くのを辞めるつもりでした。

 ところが、読者から「ガンバルローグの続きを書かないのですか?」と言う質問に、ついうっかり「書きます」と書いちゃって、泣く泣く書き始めたけど正直シンドイ。

 このままだと続けられる自信がありません。どうしたら良いでしょうか?』


「という相談ですが、レイちゃんどう思う?」

「一発目から、一番来ちゃダメな奴が来てるじゃねえか!! 作者登場とか、メタの極みだな。それと、さりげなく別の小説を勧めてんじゃねえ」

「一応手紙だから本人じゃないわよ」

「そいつはこじつけだと思うぜ。それで、この相談に答えなきゃダメなの?」

「そうね……相談コーナーだから、お願い」

「俺にどうしろってんだよ……そうだな、趣味として書き続けろ」

「どういう意味かしら?」

「この小説って読者の年齢層が微妙に高いんだよ。話はキッズ向けなのに、エロ動画ネタが多く含んでいて、R18の境界線をギリギリで書いてるじゃん。ライトノベルにAVタイトルを書くんじゃねえよ!!」

「作者の性癖がにじみ出てるわね」

「だろ。そんな小説をどのレーベルが書籍化するんだよ。バカじゃね? どこもクレームを怖がって出版しねえって。この小説で書籍化なんて絶対に無理だから、素直に読者の奴隷となって書き続けろ」

「だけど、表現やネタを丸くすれば書籍化の可能性はあるんじゃない?」

「既存の読者はこの小説の下ネタに嵌っているんだから、そんな事したら感想でボロクソに叩かれるだけだろ」

「確かにそうね……という事なので、一発屋作家さんは書籍化を諦めて、趣味で小説を書き続けて下さい」

「それと、この小説をコンテストに出すのはやめろよ。どうせ、心をへし折られるだけだからな」




「それでは、次の相談です。相談者は豊島区在中のパン屋さんからです」


『えっと、義理の弟について悩んでいます。

 私の義理の弟は病弱で長年入院生活をしています。


 その義弟とVRのゲームを一緒に始めたのですが、大人しいと思っていた義弟が私の想像を裏切り、人格に問題がある事が分かりました。

 できれば一度だけでもカウンセリングを受けさせたいのですが、言い出せずにいます。どうしたらいいでしょうか?


 綾、こんな感じで良いか?』


「という相談です。それと良ちゃん、最後の一文は余計よ」

「お前が脳筋を治しに精神科医に行け」

「前から思っていたんだけど、何でそんなに良ちゃんを嫌ってるの?」

「別に嫌ってる訳じゃないって、ただ、健康で顔が良い奴を死ねと思っているだけ」

「でも顔だけなら、レイちゃんだって負けてないわよ」

「世間のブサイクに喧嘩を売るつもりはねえけど、顔が醜くても健康なヤツは、自分が気付かないだけで幸せだと自覚しろ」

「レイちゃんからして見れば、健康な体の方が大事なのね……」

「健康な癖に自分が不幸だ不幸だって言って居る奴は、一度死にかけて『メメント・モリ』って奴を実感した方が良いぜ」

「レイちゃんは『メメント・モリ』という言葉に、二つの意味があるのを知ってる?」

「もちろん。一つは「死を記憶せよ」。もう一つは「今を楽しめ」だろ」

「そう。「生と死の境界に居る主人公が、今を楽しむ」。作者がこの小説が浮かんだ時に考えたテーマみたいね」

「高潔なテーマなのに、どうして下ネタ丸出しの小説になった……」

「それは、作者の頭がどうかしているだけだと思うわ。それじゃ、そろそろ締めるわね。パン屋さん、私も貴方のゲームプレイはどうかと思うので、まずは心理テストで自分が異常だという自覚を持つことから始めましょう」




「それでは、次の相談です。相談者は長野県の女子高生ですね」


『なにこれ なやみ?

 うーーん ぁたしゲームで彼氏できたんだけど

 彼ってアサシンってぃうの マジかっこよくね?


 だけどその彼氏がムカつくガキにボロボロにされちゃって

 よくわかんなぃんだけど入院することになってマジ最悪

 ねぇアサシンって名前だけで本とは弱いの?』


「……えっと、この人はレイちゃんにボロボロにされた、偽物のアサシンの彼女さんですね」

「ああ、あの豊胸女か。取りあえず、文章に句読点が欲しいな。読む相手の事を全く考えてないのか、知的障害なのか、それとも両方か……」

「取り敢えず、回答をお願いします」

「ん? これ相談? ただの質問じゃん。自分で調べろよクソビッチ」

「……という事で、自分で調べて下さい」

「あっさり終わらせたな」

「私もこの手の人達って苦手なのよ」




「これが最後の相談ですね。相談者は夫婦で喫茶店を営んでる……奥様ですね」


『こんちゃー。レイ君、コートニーちゃん元気ーー。

 そんで相談だけど、うちの旦那。あの酒癖を何とかして。


 この間も夜中に警察から、うちの旦那が酔っ払ってパンツ一丁で公園をランニングしてたって言うから、一晩留置所にぶち込んどけって電話を切ったわ。

 だけど、世間体を考えたら、そろそろ何とかしないとダメだと思うの。

 ちなみに、履いていたパンツは他人のパンツだったわ……。


 どうしたら、あの酒乱が治るか教えて』


「あの人もダメねぇ……」

「確か前回の放送で、その旦那からの相談があったな」

「ええ、これね……」


『私は夫婦で喫茶店を経営しています。

 相談内容なのですが、妻の趣味について悩んでいます。


 私の妻は、思春期前からボーイズラブという男性の同性愛に対して異常なほどの興味があるらしく、美男子を見る度に思考が止まり、突然訳の分からない事を叫び出します。

 この前も少し格好の良い男性の客が入って来た途端、「採用ー!!」と店中に響く大声を張り上げて、その客は驚いて逃げていきました。


 そして、ある晩ですが、寝ていたらガサゴソ音がして目が覚めると、妻が私の寝間着を下して下半身を見ながら絵を描いていました。

 何をしているのか尋ねると、同人誌作成のデッサンと言ってましたが、正直寒気がしました。

 妻の趣味、何とかなりませんか?』


「どっちも最低だな」

「私はノーコメントで。それじゃレイちゃん、回答をお願いします」

「ホスピスにぶち込め」

「そうね……本当に駄目なら、それしかないわね」

「アル中はよく知らないけど、俺の経験上、禁断症状が出る前が勝負だと思うぞ」

「レイちゃんは何の中毒なの?」

「……ポルノ中毒」

「…………」

「…………」

「それじゃ、ジョーディーちゃん。本当に駄目そうなら親戚全員で説得して、旦那をホスピスに入れてあげてください」




「と言う事で、今回はここまで。この後は閑話を三話投稿した後、二章が開始されます。お楽しみください」

「……このコーナーって需要あるのか?」

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