第6話 豚と詐欺師と怪しいババア
アーケインの街に行ったらスキルを買う。
それは分かっていたけど、アーケインは首都と言うだけあってNEO東京ドームの何十個分の面積があり、これだけ大きい街だとスキル取得以前に迷子になりそうだった。まあ、NEO東京ドームなんて行ったことないから、どれだけ広いか知らない。
アーケインに到着したその日の夕食後に姉さんに相談したら、馬鹿旦那と違って詳しく教えてくれた。説明がクッソ長かったからメモして箇条書きにして纏める。
・アーケインにはメインギルドとして、戦闘ギルド、魔術ギルド、生産ギルド、冒険者ギルドのギルドがある。
・冒険者ギルド以外の各メインギルドでは該当した基本形スキル(戦闘スキルなど)が手に入る。基本形スキルがないと何をやっても失敗するらしい。
・冒険者ギルドで販売されているスキルは基本形スキルを必要としない。
・欲しいスキルは該当するメインギルドに地図があるから、それを見て専門ギルドに行けばいい。
・ギルドで売ってないスキルも存在するが入手方法は不明。
教えてもらったのが姉さんで良かったと思う。もし義兄さんだったら「足で探せ」の一言だっただろう。
「例えば俺が何かを作りたかったら、まず生産ギルドで生産スキルを取って、次に専門ギルドに行って、欲しい専門の生産のスキルを取れって事?」
俺の質問に姉さんが頷く。
「それで正解ね。レイちゃんが気になっていたポーションを作りたかったら、生産スキルで成功率を上げて調合士スキルで調合効果を上げる。最後に薬草学スキルを取って薬レシピを読めるようにしてからポーションのレシピを手に入れる。
全部で三つのスキルにポーションのレシピが必要になるわ」
姉さんの説明に顔をしかめて腕を組む。
「作るだけなのに、3つもスキルを使うんだな」
「そう。何でもできちゃうとチートになるからスキルの縛りは大きいわ。スキルを取らなくても作れるけど、失敗するか粗悪品しか出来ないから、作るなら必ず三つ取らないと駄目なの。
それにポーションを入れるビンまで作るとなると、錬金まで覚える必要があるかな? でも薬瓶だったら道具屋で買った方が楽かもね。ポーションは市販品が出ているから安いけど、効果の良いポーションだったらプレイヤーに直接売れば多少は利益になるんじゃないかしら?」
「プレイヤーに直接?」
「ええ、プレイヤー専用マーケットもあるけど、あそこは税金で三割取られるわ」
「なるほど……」
税金で三割とか酷くね? いや待て。現実だと四割近くを税金で取られて、消費税でも一割取られるから、もっと酷いのか……。
「でもレイ君が私の代わりにポーションで回復してくれると、殴れるから嬉しいけどね♪」
ジョーディーさんが会話に入ってニコニコ笑いながら自分のクラスを完全拒否していた。この人はヒーラーの適正がないんじゃないかと思う。
「後は戦闘クラスと生産クラスを同時に使いたいのなら、サバイバルスキルも必要かな」
「サバイバル?」
調合と関係ないスキルを聞いて首を傾げる。
「そう。スキルの入れ替えは基本的に街や村などのセーフティーエリアでしかできないけど、サバイバルスキルを取ったプレイヤーが野営をすると、そこがセーフティーエリアになってスキルのチェンジができるからとっても便利なの」
「つまり?」
「例えば、戦闘スキルの状態で薬草を集めて野営で生産スキルに変更してからその場で薬を作る。作り終わったらまた戦闘スキルに戻すと、わざわざ街に戻る必要がなくなってとっても便利♪
それにサバイバルスキルのレベルが上がれば、強い敵も襲ってこなくなるからパーティーに一人は必要ね」
今の会話から薄々と気付いているが、これは明らかに姉さんの誘導だ。俺にサバイバルスキルを取らせようとしている。
「パーティーに一人必要だったら姉さんが取れば?」
「魔術師にサバイバルは似合わないわ。一番似合うのはローグのレイちゃんだもん」
山ガールのアンタの方がお似合いだよ。
「あっ思い出したけど、ポーションの材料を取るのにサバイバルスキルも必要じゃなかったっけ?」
「そうだったかしら? 薬草はてっきり買う物って認識だったから、それは知らなかったわ」
……ジョーディーさんの話が本当だったらサバイバルスキルは准必須のスキルっぽいな。まあ、取っても損はないと思うのでサバイバルも候補に上げよう。
取り敢えず、今のところ取る予定のスキルは……。
ポーション作成に生産スキル、調合士スキル、薬草学スキル。野営用にサバイバル。最後に盗賊回避スキル(回避UP)。
最後の盗賊回避スキルは、アーケインに移動中の馬車でベイブさんと相談して取ることに決めていた。
ベイブさんが使っていた戦士回避スキル(パリィ)も取ろうと考えたけど、ベイブさん曰く、「ローグはローグの戦い方があるから専門スキルを取るべきだ」と薦めたので盗賊回避スキルを取ることにした。ちなみに、義兄さんからは「盾取れ、盾スキルを取れ」とうるさかったけど、あのチュートリアルを受けた後では彼の話を聞く気にはなれなかった。
まあ、スキル選択を間違っても、レベル10になれば新たに5つスキルが取れるし気楽に行こう。
さて、明日は朝から忙しくなりそうだ。
翌日の朝。結局、義兄さん達は帰って来なかった。姉さん達から聞いたところ、チャット通信も繋がらないらしい。ログアウトでもしているのか?
だけど、今日は各個人でスキルを取るため別行動の予定だったから、二人が飲んで暴れていたり、風俗に行ってスッキリしていても俺には関係ない。
嫁に見つからないように精々ハッスルしてろ。
ちなみに、後から聞いた話だと義兄さん達は夕方ぐらいに帰ってきたらしい。
クエストをやって、予定よりお金が入ったからまた飲んで、暴れて、NPCの衛兵に捕まって、拘置所に半日入れられて、連絡も不可だったとか。
俺に話をしたジョーディーさんはむちゃくちゃ怒っていた。昨日義兄さんたちに付き合わなくて正解だった。心の底から安堵した。
朝食時に宿屋で働くNPCの女将さんからギルドまでの道のりを聞いて外に出る。
ここから一番近いのは冒険者ギルドなので、サバイバルスキルを取りに向かった。
冒険者ギルドに入ると、NPCがポツポツと居るだけでガランとしていた。
カウンターで暇そうにしている、エルフ姉さんの前に向かう。
「すいません」
「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか」
「サバイバルのスキルを取得したいんだけど……」
「はい、では1sと20cになります」
おっと、金を取るのか。コンソールを操作しで金を取り出すと、受付の姉さんに渡す。
「確かに受け取りました。では右にある液晶盤に手を置いてください」
指示された液晶盤に手を置くと、彼女が何かを操作をするのと同時に液晶盤が光った。
「このまま、お待ち下さい……はい、これでOKです」
もう終わり? コンソールの情報を見ると、確かにサバイバルスキルを手に入れていた。
努力をせずに能力が手に入るのは人間として堕落するけど、それが素晴らしい。
後ろに並ぶ人も居ないし受付のエルフも優しそうだから、スキルについて色々と聞いてみた。
「スキルは全部同じ値段ですか?」
「いいえ。スキルによって値段は違いますよ」
「ちなみに冒険者ギルドで一番値段の高いスキルは何?」
「ここですと、飛竜騎乗が最高で300gになりますね。ただし、このスキルを取るにはドラゴンテイムのスキルがレベル20が必要で、竜騎士の資格も必要になります」
飛竜騎乗か……空を飛べるのも格好良い。乗ってみたいけど、テイムできなきゃ近寄っただけでハンバーガーと勘違いされて食われそうだな。
ゲームだとしても、食べられるときは、せめて殺してからにして欲しい。
「ちなみに、安いのは?」
「水泳と登山で20cになります」
なるほど。少し練習すれば誰でも出来そうだし安いのも納得できる。だけど今はスキル枠に余裕がないから取るのは控えよう。
「他にも色々なスキルが御座います。興味が御座いましたら、あちらの壁にスキル一覧と金額が表示されていますのでご確認ください」
「ありがとう」
「いいえ、どういたしまして。またのご利用、お待ちしています」
NPCなのにやたら親切で惚れそうになる。それに殆んど現実の人間と同じ行動を取っているから「うふふ。実は私、プレイヤーなんですよ」て言われたら、間違いなく信用しそう。
カウンターから離れて案内された壁紙のリスト一覧を見ると、本当に色々なスキルを取り揃えていた。
交渉スキル、船舶操作スキル、農業スキル。面白いのだと道化師スキルに漫才スキル??
何だこれ? スキルを取ると面白いネタでも生み出すのか? もう何でもありだな。一通りのスキルを確認し終わると、冒険者ギルドを出た。
「ずいぶんあっさり終わったな……」
てっきりサバイバルスキルだから、ブートキャンプばりの訓練をやらされると思っていたので、何か拍子抜けした。まあ、ブートキャンプをさせるRPGというのもどうかと思う。
健康的ではあるが……いや、体を動かさないから別に健康でも何でもないな。ただ精神的に疲労が溜まるだけか……。
次に向かった先は生産ギルドで、ギルドに入ったら先ほどの冒険者ギルドと比べて多くの生産プレイヤーが中に居た。
やはり生産をメインにやりたい人は多いのだろう。だけど、生産をメインでやる人達は最初の村をクリア出来ないんじゃないのかな? 戦えないのにどうやって来たのか謎である。
その謎を知りたくて壁際で会話をしている男女三人のプレイヤーを見つけると、さり気なく近寄る。
壁に貼られているギルド内MAPを見ている振りをして、一般人モニタリング……いや、会話を盗み聞きしてみた。
なんか、今の俺ってローグっぽくね?
「いやーまいったよ。俺はオーダゼから来たんだが、そこの鉱石所で朝から晩までインゴットを三百以上作ってやっと脱出できたぜ。最後の方は数を数えるのも嫌になっちまった」
「そっちもか。俺はスペンガって村で永遠に木材作成、それで脱出成功だ。村を出るときは二度と来るかって思ったな……」
強制労働所からの御出所、お疲れーーす。
「ソロだとキツそうね。私が居た村は裁縫専門の村だったけど、パーティー組んだら一人頭のノルマが減ったわよ。どうやらソロでもパーティーでも作成ノルマは同じだったみたいね」
「「マジか!!」」
女性の話を聞いてソロでクリアした二人が驚いていた。
「ええ、私達もノルマの数は大体三百位だったけど、六人で一人頭五十枚の布作成でクリアしたからね。まあ、その分報酬が少なくて、スキル取得のお金も心許なかったから、クエストの数以上の布や服を作って稼がないと駄目だったけど、それでもお二人さんよりマシかな?」
「クソ! 俺もパーティーを組めばよかった……もう木を見るのも嫌だ」
「俺も鉱石なんてもう見たくねえ。しかも一番安い素材の加工だから、スキルは上がらねえ、報酬は少ねえで、よく心が折れなかったとつくづく思うぜ」
「ふふふ、ご愁傷さま」
恐らくだがキャラ作成時のスキル構成で飛ばされる村が違うのだろう。
俺の場合はロビーで入る前にパーティーを組んでいたから義兄さん達と一緒だったのだと思う。
いや、もしかして義兄さんが俺の知らないところで何かした可能性の方が高いな……間違いなく犯人はあの脳筋だ。
そして、彼等の話だが。愚痴を聞くとNPCからのクエストは過酷な現場らしい。
生産キャラは生産キャラ用の村があって、そこで重労働を虐げられていると……このゲームはドM専用か?
だけど、パーティーを組めればそれほど苦じゃないということか……。確かに俺達がスタートした村もパーティーを組めばすぐにクリアできそうだった。実際に俺達は初日でレベル5になったからな……。
ゲームの仕様上、パーティーをメインとしたゲームにするために最初から組まされていると考えた方が良いだろう。ぼっち終了です、はい。
当初予定の生産スキルを取るために、空いているカウンターに向かう。
生産スキルは基本スキルだから20cで安かった。
壁に貼ってある案内掲示板を調べたら、薬草学スキルと調合士スキルは調合士ギルドが販売していたので、生産ギルドを出ると今度は調合士ギルドへ向かった。
調合士ギルドは見た目だけだとただの病院でした。薬を扱うんだから当然そうなる。待合所ではNPCの患者っぽい人達が治療の順番待ちをしていた。下らないところにAIを使うなと思う。
よぼよぼのジジイなんて今にもクタバリそうだ。ゲームを開始してから五日目で死ぬのか? せめて長生きしろよジジイ。
スキルを買うために受付に向かう。
カウンターの前に立つと、白い白衣にピンクのカーディガンを着た、女ドワーフが威圧的に座っていた。
「…………」
なんでドワーフやねん。運営さんよ、ここは無難に白衣の美人としとこうぜ。太り過ぎて白衣の腹回りがパンパンだし、似合わないピンクのカーディガンもピッチピチで伸びきってる。
「病院内ではフードを脱ぎなさい!!」
俺が豚、いや、ドワーフに近づくと、メス豚がジロリと睨んで俺が要件を言う前にヒステリックに叱った。
ここは調合士ギルドじゃないのか? 仕方がないのでフードを脱ぐと豚が俺の顔を見て頬を染めた。豚が人間を見て照れてんじゃねぇよ!
受付に近づくと、香水と汗が混じった刺激臭が鼻を直撃した。発生源は当然目の前の豚。臭いを一言で言えば、ココ・シャネルのマ○カスの香り。ゲロが出そう。
「スキルを購入しに来たんだけど」
「はい、薬草学スキルかしら?」
ズルッ!
豚の口から出た恥じらう様な声を聞いて、思わずズッコケた。……これは酷いAIだ。このAIを作ったヤツは絶対にネタキャラとして、コイツを作ったんだと思う。
「調合士スキルも併せて購入したい」
「それだと24g50cになります」
は? 何を言ってんの? 俺の全財産の二百倍以上じゃねぇか。
「……高いな」
金のない俺に興味を失ったのか豚がジロリと睨んだ。
「ふん!! まけないわよ。それに、ポーションのレシピ代も3g必要だからね。金がないなら出て行きなさい!!」
恥じらう様な口調がヒステリーに戻った。本当に腹が立つ豚だな。鞄に入れているポーションで顔面をぶん殴りたくなったが、ぐっと抑える。
「失礼します。ブヒブヒ」
受付を後に調合士ギルドを出る。後ろで豚が何か叫んでいた気がするが、振り向きもしないで外に出た。
フードを被ってから、溜息を吐く。
基本スキルは安いのに専門スキルの値段が高すぎる。どうやらキャラ設定時以外は取得し辛いゲームの仕様らしい。
ポーション作成は当分先と思うべきか……鞄からポーションを取り出してジッと見つめると、頭の中で豚をぶん殴る。
再び溜息を吐いた俺はポーションを鞄にしまうと、調合士ギルドを後にした。
「あれ?」
落胆しながら歩いていたら迷子になった。戻ろうとしたらさらに道に迷った。ここは何処だ? 広場に向かうつもりが道を間違えたのか、何時の間にかスラムの様な所を歩いていた。
周りのNPCの雰囲気もガラリと変わって、みすぼらしい格好か怖い雰囲気の人達が多かった。ああ、俺もローグだから同類か……。
「ちょっと僕、時間あるかな?」
広場に向かう道を探していたら、通りがかったNPCらしき兄ちゃんに絡まれた。
見た感じだと、兄ちゃんは二十歳ぐらい。皮のズボンに皮ジャンを着て、俺を見てニヤニヤしていた。
「今、忙しいから後にしてくれ」
話し掛けられてフードの下で顔をしかめる。
俺は初見の人間に笑顔で近づく奴は、道徳観念をゴミ箱に捨てたクソ野郎の部類に入るサギだと思っている。
そんな奴を信用するのは余程の馬鹿か、人を疑う事を知らない馬鹿のどちらかだろう。
残念ながら、俺は肉親ですら不信に思っている人間なので当然ながらコイツを無視する事にした。
「まあ、まあ。良い儲け話があるんだよ。ちょいと付き合いなって」
俺が無視して去ろうとするのを、兄ちゃんが後ろから俺の肩をガシッと抱き寄せる。
その優しい声とは裏腹に、皮ジャンの兄ちゃんは力強い手で俺を強引に路地へと連れて行った。
カツアゲか? これが世間で言うところのカツアゲってやつか? NPCからカツアゲされるプレイヤーって人として終わってね?
兄ちゃんは肩を抱いた手を離すと、路地の出口側に立って道を塞いだ。
「俺、アクセサリーを売ってるんだ。それで今、チョット緊急のお金が必要でね。本当だったら10gのシルバーアクセサリーが、今なら10sで売っても良いんだけど買わね?」
兄ちゃんがポケットからシルバーアクセサリーを取り出して俺に見せる。
……これ、ただのシルバーメッキだろ。しかも、メッキの一部が欠けていて、中の鉄が見えている粗悪品だった。
カツアゲだと思ったら、詐欺か……今、俺の目の前に居るNPCは、詐欺プレイヤー顔負けのインチキクソ野郎だった。
「いらない」
俺が断ったら兄ちゃんが肩を竦める。
「もしかして、お金がないのかな? 仕方がないな。俺ね、良い金貸し屋を知ってるんだ。大丈夫。チャンと良心的な店だから。だだ、少しだけ、そう、ホンの少しだけ紹介料を貰うけどね」
兄ちゃんの話を聞き流しながら溜息を吐く。調合士ギルドの受付NPCといい、この詐欺NPCといい……このゲームのAIは、人間に近い感情と行動をしている。そして、その全てが腹立たしい。
「なあ、そろそろ、いい加減にしろよ。素直に金を出せばい……」
俺がシカトしていると、兄ちゃんがキレた。
「あれ?」
俺が路地の出口を指さしながら声を出すと兄ちゃんが後ろを向いた。
「ん?」
その隙に鞄からポーションを出すと、思いっきり彼の側頭部に叩きつけた。
ガンッ!!
「あースッキリしたぜ、真性クソ野郎!!」
兄ちゃんは渾身の一撃を喰らい、地面に倒れて気絶していた。ずっとストレスが溜まっていたから、かなり強烈な一撃になったけど死んでねえよな。
突然、バンッ!! と路地壁の窓が勢いよく開いて驚いた。
バッと振り返れば、前歯が一本欠けたババアが身を乗り出していて更に驚く。
「気に入った!!」
「ファッ!!」
ビックリした! 何だ、このババア。
「いいぞ若造、ポーションをあのように使うヤツを初めて見た。見事じゃ」
「はあ、どうも」
なんかすごく興奮しているけど、危ない人か?
「お主、ただで調合士のスキルは欲しくないか?」
おや? うまい話が転がってきた。
「頂戴」
「だったら入れ。入口はそこじゃ、遠慮するな、ほれ」
ババアはそう言うと、窓から顔を引っ込み俺を家へと迎え入れた。
※ ココ・シャネル:ファッションブランド「シャネル」の創業者。
20世紀フランスが生んだクソビッチ(誉め言葉)。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます