第8話 狂雨:まっくらやみより

 「冷たい雨が地面を叩き間抜けな音を立てる。濡れた肌は地面を這い衣服はもうボロボロである。しかしそんな事はくだらないくだらないくだらないくだらない下らない。もうどうでもいいと思えた。ここで死ぬのもよかろう。このまま灰色のコンクリートに溶け込んでしまおう。妹はどこかへ行ってしまった。きっと幸せになれないだろう。人が幸せに生きることができるかなんていうのはこの世の汚れきった空気を吸って声を上げた時点で決まっているのだ。ああ!なんと悲しいことか!しかし受け入れよう!今日は雨がひどいので―――――――――――――――――

 そうかそうだ。まだ死ねないのかそれとも風前の灯火の命が思ったよりもしぶといのかしかしまだしぬにはやりのこしたことがおおすぎるあいつをあのおとこをころすまでくたばれないいもうとをふこうにするあのおとこをころしていもうとをしあわせにするのだころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころすころす。」



 


 待っていてくれ。カジャ。

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