8.義を見てせざるは(二)
2つ年上の沖田総司さんはよく笑い、よく冗談を言う。
ついでによくイタズラも。
沖田さんとわたしは自他ともに認める最強コンビ。
ある意味、狙った獲物は逃さない。
子供からお年寄りまでみんなに好かれる人気者だけど、新選組では子供扱いされてはスネてる。
でも、剣や竹刀を持ったら瞬時に目つきが変わるの。
普段からは想像できないほど鋭く、周りの空気をも変えてしまう。
局長が試衛館の5代目に指名するほど。
局長のことを心から尊敬していて、跡継ぎに指名されるなんて誉れなことだ!と毎日稽古に励む。
天から与えられた才能を生かすべく、昔から剣一筋。
その道を極めるという志があるそうだ。
天性のものを持っているのに努力を欠かさないなんて、最強に違いない。
加えて、アイドルみたいな爽やかな顔立ち。
現代でも十分通用する美青年だ。
親しみやすいイケメンで天才剣士。
3拍子揃っているのだから、町を歩けば女の子の黄色い声が飛び交うし、彼に恋する子は多い。
藤堂平助さんとは同い年。
いろいろと親身になってくれて、「同じ年なんだから平助と呼んでよ」と言ってくれた。
この集団の中にいて、なぜかそこはかとなくにじみ出る品のよさ。
実年齢より若く見られるのがちょっと不満らしい。
小柄なほうだけど、癒し系の可愛らしい顔立ちのイケメンである平助さんのファンも多い。
土方さんと沖田さんと平助さんが一緒に町を歩いたらもう大変!
アイドルのコンサートかってくらい
たまに羽目を外すけど、それもご愛嬌。
頭もいいし、礼儀正しい。
育ちのよさも感じるのに、全然嫌味じゃない。
茶道を嗜む一面も。
何よりとっても優しい!
いつもさりげなく気遣ってくれる。
動物や植物にも愛情を注げる心の持ち主で、野良猫とか放っておけないタイプ。
その反面、一本気でお稽古も仕事も何でもいちばんに率先してこなす。
負けん気も強くて、血気盛んな一面もあるのはさすが新選組の剣士ね。
わたしは日々、平助さんとのおしゃべりとキュートな笑顔に癒されてる。
永倉新八さんは硬派で頼りになる人だ。
剣豪ひしめく中で一、二を争う腕はお墨付き。
その上、人に指導するのも上手。
永倉さんにお稽古をつけてもらいたくて、たくさんの隊士が列をなす。
戦力面で信頼されてるのは言うまでもなく。
勝ち気で何でも真っ向勝負、曲がったことは大嫌い。
筋を通さなきゃ嫌みたい。
豪胆で、局長や土方さんにもズバッと意見できるんだよね。
ちょっとやそっとじゃ動じないし、誰が相手でも怯まず対等に渡り合うなんてなかなかできることじゃない。
気風がよくて男らしい!
もちろん女性にも硬派で誠実、近所の花街・島原に行っても一途なのだそうだ。
土方さんみたいなこと、絶対にしないのがステキ。
ついでに左之助兄ちゃんとはとても仲がよくて、暴走を止めたりツッコミをいれるのは大方、永倉さんの役目。
虫歯になりやすいらしく、左之助兄ちゃんにそのことをよくいじられてる。
井上源三郎さんは「源さん」と呼ばれ、みんなに慕われている。
心が広く、器の大きな人。
寡黙で穏やかで、言わずもがな信頼されているのがよく分かる。
局長、土方さん、沖田さんの兄弟子で、昔から一緒に過ごしてきた4人は特に絆が深い。
毎日みんなと真面目に熱心にお稽古しているのに、いつの間にか手際よく家事も完璧にこなしてしまう。
料理、洗濯、掃除、裁縫と、どれをとっても一級品!
わたしの家事の腕前なんて源さんの足元にも及ばないから、料理と裁縫をよく教えてもらう。
趣味みたいなもので息抜きになるから楽しいんだ、と言って一緒に和スイーツを作ったり。
卵が手に入ったら、プリンとかシフォンケーキとか提案してみようかな?
もちろん、みんなの好みや苦手なものもすべて把握していて、源さんに聞けば何でも分かる。
いわゆる生き字引だ。
小さな悩みもうんうんとしっかり聞いてくれて、まずは思うとおりやってみなさいと背中を押してくれたり。
たとえ失敗しても頭ごなしに叱ったり反対したりせず、なぜ失敗したのか考えてごらんと諭してくれる。
わたしを含め、ひとりひとりの個性を尊重し、理解して見守ってくれるのが心強い。
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