第3話

「ひろきーおはよぉー」自分を呼ぶサキの声で起きたヒロキはサキに向かい「おはよ」と声をかけ顔を洗いに洗面所へと向かった。顔を洗い終わり戻ってくると今日の予定を確認していた。「今日は多ければ二戦あるのか、初戦が俺は二試合目か。そろそろ一試合目始まる時間だな」宿を出て二人は試合会場へと向かった。

。。。

待合室についた頃にはちょうど第一試合が始まるところだった。「水魔法と風魔法かどっちが勝つのかなー?」「水魔法を使ってる奴が勝つぜ」ヒロキの独り言に返してきた人物がいた。「なぜそう言いきれる?」ヒロキは聞き返した。「風魔法の奴は使い方がなってねー雑すぎる」そう男が説明していると決着がついた。勝ったのは男が言った通り水の魔法の使い手だった。「お前何もんだ?」とヒロキが問うと「俺はサロスだ覚えとけよ。それよりお前次じゃないのか?行かなくていいのか?」「ホントだヤバい」慌ててヒロキはゲートに向かった。「a8の方こちらへお願いします。」ゲートに着いた時には皆集まっていてヒロキ待ちだった。「すいません」そんな言葉をかき消す様な音でアナウンスが流れた。「それでは本日第二試合目の選手の紹介を行いまーす。まず昨日の試合で一瞬で敵をKOにしてしまいまだ詳しい能力は不明のこの男...ヒロキー」盛大な歓声があがった。「それに対しまするはー誰もが友だち熱血男アサトー」さらに歓声が大きくなった。「それでは第二試合スタート」パンっ!!という音で試合がはじまった。最初はお互い様子見で動かない。先に動いたのはヒロキだった。「炎よ仮面となり我が身に纏え」呪文を唱えると以前変身した仮面ライダーというものになっていた。「仮面ライダーフレイム」っと名乗りをしたが会場の客たちは頭にハテナが浮かぶだけだった。ヒロキが魔法を使ったのを見たアサトは慌てて魔法で攻撃をしてきた。「氷のつぶてよ降り注げ」呪文を唱えるとヒロキの頭上に氷のつぶてが浮かんだ。アサトが腕を振り下ろすとヒロキに向けてつぶてが降り注いだ。とっさに横へ飛びそれを避けたヒロキはアサトに向けてダッシュした。「貫け氷よ」そう唱えると氷の塊がヒロキに向けて放たれた。ヒロキは前方に炎を出しそれを溶かしアサトにパンチを入れた。ヒロキのパンチをモロに食らったアサトは後ろに吹き飛んだ。アサトは何とか立ち上がり魔法で氷の槍を作り出し構えた。それを見たヒロキは魔法で炎の剣を作り出し構えた。お互い走り交わるその瞬間!!お互い全力で振り抜き剣と槍がぶつかり合う。次の瞬間氷の槍は炎の剣に溶かされ炎の剣がアサトに直撃した。アサトは地面に倒れ込みヒロキのKO勝ちとなった。「フゥー流石に属性相性が響いたなー」ヒロキはそう言いながらゲートからでていった。待合室に戻るとサロスが話しかけてきた。「君面白い魔法使うんだねー魔力はあそこの機械で回復出来るからしとくといい。じゃあ僕は試合に行ってくるよー」「あの変な機械で出来るのか教えてくれ感謝するよ」ヒロキはさっそく謎の機械に入りスイッチを入れた。すると瞬く間にヒロキの魔力が回復した。「おぉーすげー次の試合はいつかなーと六時間後かー宿に帰って寝るとするかー」

。。。。

「おーいひろきー」深い睡眠に入りかけた所でサキに声をかけられ、目を覚ました。「....なんだよぉなんか用か?」「ひろきどうせ次の試合まで暇でしょ観光しましょ観光」「行かないよ暇じゃないし眠いし今から寝るから、じゃおやすみ」「そんなこと言ってないで行くわよ!!」そう言うとサキはヒロキの布団をひっペがした。「ちょっお前人の話聞けよ。ったく仕方ねーな少し観光したら寝るからな」「ハイハイわかったわかった。レッツゴー」「絶対聞いてねーだろ」そこからヒロキとサキは街へ繰り出し大会で賑わっている屋台を巡り歩いた。「おいサキどんだけ買うつもりだよお前ー」「んー?私が満足するまでー」ヒロキがこう嘆くのも無理はない。サキは街に観光し始めてから屋台の食べ物を食べまくっている。たこ焼き、焼きそば、焼きとうもろこし、焼き鳥、かき氷、フライドポテト、お好み焼き、りんごあめ、唐揚げを全て一人で平らげている。見た目では全くもって予想できない大食らいだったのだ。しかもまだ食べるつもりらしい。いったい食べたものはどこへ行くのやら元の世界のサキとは真逆だ。元の世界のサキとてつもなく少食だった。この世界では反対にでもなるのか?それともタダの偶然だろうか、まぁ俺には分からんか。しかしいつまでサキの食べ歩きに付き合わされるのかもう眠くて眠くて仕方がない。「もう帰って寝ていいか?眠い」「何言ってんのまだ来たばっかしじゃない。さ、次行くわよー」「はぁ、もう勘弁してくれー」その叫びも届くことはなく人混みの中に連れていかれるのだった。

。。。。

2時間後、「やっと開放された寝よう」

寝ようと思いヒロキが時計を見るともう試合の一時間前だった。「ほとんど寝れないじゃんか。30分だけでも寝るか」

45分後...「ヤベぇ寝過ごした」時計を見たひろきは慌てて宿を飛び出し試合会場に向かった。ヒロキが会場につくと試合五分前だった。A6の方こちらへお並びください。係員さんの指示に従い並び試合開始を待っているとサロスが話しかけてきた。「次の対戦相手お前らしいな。今まで攻撃を喰らわずに勝ち上がって来てるみたいだが勝たせてもらうぜこの試合」「ん?あぁ負けないよ」そう言い合いお互いのゲートに戻ると前の試合が終わり出番が来たようだ。「それでは次の試合の選手を紹介しましょう。まず西側ゲートからは魔法は熱いが性格はクール?火の魔法の使い手ヒロキー」「続きましてー東側ゲートからは性格はチャラいが魔法の腕は本物、植物魔法の使い手サロスー」「両者中央まで来ましたねーそれでは試合開始!!」

「なるほどサロスは植物魔法を使うのかならこっちが有利だなさっさと決めるか」「炎よ仮面となり我が身に纏え」呪文を唱えると同時にヒロキはサロスとの間合いを一気に詰めた。「とった!!ファイヤーブロー」呪文を唱えながら炎を纏わせた拳でサロスに殴りかかった。「フォレストガード」一見隙だらけに見えたサロスがそう言い放つとヒロキの拳は木の壁に阻まれた。「ヒロキ君の魔法はこの程度の威力なのか?もう少し期待していたんだがな」ヒロキが完全に自分の拳を止められたことに驚き呆けていると「ウッドハンマー」サロスが使った魔法に吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。「オグォフェ」「おいおい大丈夫かー?もうへばったのか?」「まだまだこんなのウォーミングアップだよ。威力がダメなら数で勝負だ」「炎龍烈拳」龍の形をした炎が拳から打ち出されサロスに襲いかかる。しかしサロスは「ニードルレイン」と唱え何やら棘のような物が空中に現れことごとく炎の龍を撃ち抜いていった。「おいおいしっかりしてくれよーそんなもんかよー次はこっちから行かせてもらう」「シーリンググラス」いつの間にか纏っていた炎のスーツはが消えていたヒロキに向けてサロスがそう唱えると土の中からツタが無数も現れヒロキの手足に纏わりついた。サロスが手をあげるとヒロキもツタに吊り上げられた。「ほら、自慢の火魔法で抜け出してみろよ」そう言いながらサロスはヒロキを殴った。「言われなくてもゆってやるよー」「炎熱波」そう唱えると身体からとてつもない熱が溢れ出しツタを焼き切った。「ほぅやれば出来るじゃないか」「仕方ない決勝まで置いておきたかったんだが温存してはアイツには勝てない、この技は絶対避けることは出来ない防ぐことも出来ない俺の最終奥義だ喰らえー」「グランドファイヤーーーー!!」そう唱えながらヒロキは勢いよく地面に手をついた。数秒後、地面が揺れだし、割れ炎がコロシアム全体から吹き出した。観客席の前の方に座っている人は熱くて後ろに避難している人までいた。ヒロキは自分が使った魔法のため傷つくことは無いがサロスはひとたまりもないだろう。しばらくして炎が収まるとサロスの姿はなくあるのは真っ黒に焦げた1本の大木だった。その大木がバラバラと崩れ中から気絶したサロスが現れた。少しの間コロシアムを沈黙が包み込んだ。しばらくして、審判がハッとした用にヒロキの勝利を告げた。それにつられたのか観客からとてつもない歓声が湧いた。しかしヒロキはそれを無視しゲートに返っていった。ゲートでは先に試合を済ませていた。サキが待っていた。ヒロキはサキの顔を見るやいなや意識を失い倒れ込んだ。ヒロキが気づくと宿のベットにいた。「アレ試合どうなったんだけ」すると横のベッドで寝っ転がっていたサキが声をかけてきた。「あ、目が覚めた?ヒロキ試合が終わるなり倒れ込むんだもんビックリしたわよ。私一人で運ぶの少し大変だったんだから」「え?お前一人で運んだの?俺を?」「そうだけど?」「俺50キロはあるはずなんだけど」「そのくらいなら軽いじゃないそんなことどうでもいいから今日はもう寝たら?ご飯はそこに置いてあるから」「そんなことって、まぁいいかありがとよ」そう言いながらヒロキはご飯を食べ明日の試合に備え眠りについた。

続く

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