第2話



「エントリー受付はこちらになります」

「サキはエントリーするのか?」「もちろんでしょ当たっても容赦しないからね」「当たり前だ手加減する必要なんてねーよ」そう言いながらも二人は受付を進めていた。「ではこちらに手をかざしてください」二人が台に手をかざすと台が光り出す。すると手に英単語と数字が現れた。ヒロキの手にはAの6サキの手にはCの8と書かれていた。「これは?」「それが貴方達のエントリー番号になります。トーナメント表を確認し行動してください。番号が呼ばれるまであちらの待合室でお待ちください。」説明を受け待合室に向かうと「Aの待合室はこっちかじゃあまた後でな」「私と当たるまで負けないでよ」「お前と当たっても負けねーけどな」二人はそれぞれの待合室へと入っていった。

「うおお、菓子まであるじゃんすげーどの待合室もこんな感じなんだよな。さすが王様選ぶだけあるなー」お菓子の横には飲み物一式そしてその横にエントリー表が書かれていた。「えーと俺がaの6だからあ、あった。サキはcの8か、あそこかよし決勝まであたらないな。俺の初戦は三回戦目か早いなー」

そうこうしているうちに開会式があるというアナウンスが流れた。

「本日は皆様お集まり頂きありがとうございます。では現王から開会宣言を頂きます。」「おほん、それでは只今より次期国王選定魔法試合トーナメントを開催することを宣言する。皆の者自分の死力を尽くし競い合い、我を倒し、王の座を奪ってみせよ、それでは期待しておるぞ。以上!!」「王様ありがとうございました。それでは十分後に第一試合を行います。第一試合出場者はゲートにお集まり下さい。」いよいよ大会がはじまったのか。そんなことを思いながらサキから聞いたこの大会について思い出していた。この大会は四ブロックに分かれ、そのブロックの中で一対一の魔法試合を行い。勝ち上がっていく。勝ち上がった各ブロック一名がaブロックならbブロックを勝ち上がった勝者とcブロックならdブロックの勝者と戦い更にその勝者同士が戦いこの大会のチャンピオンを決める。そしてチャンピオンになった者だけが王に挑み王座をかけた勝負をすることが出来るのである。ルールとしては制限時間無制限の相手が戦闘不能になるか降参するまで続く、意図的な殺しは失格になる。また武器の持ち込みは禁止で使用は許可されている。サキ曰く、「なんで持ち込みは禁止なのに使用は許可されているんだろうって思ったでしょ?それは試合中に作った武器なら使ってもいいですよって事なのよ。まぁその試合中だけなんだけどね」だ、そうだ。「第三試合は一時間後か、少し寝よっと」

。。。。

一時間後、「第三試合の出場選手はゲートにお集まり下さい。尚試合が長引いているため、試合開始が遅くなることがございます。ご理解の程よろしくお願いします。」

「よし、行くか」ゲートに行くと、係員が場所ごとに案内していた。「aブロック六番の方はこちらになります。」「おっ、あそこだな。」「六番の方ですねこちらに座ってお待ちください。試合開始時に名前が呼ばれますのでこちらからご登場お願いします。」「はい分かりました。」どうやら少し第二試合が延びている様だ。会場からはものすごい音と歓声が聴こえてくる。「試合が始まったらとりあえずアレを試してみるか」そう不敵な笑みを浮かべているとアナウンスが流れてきた。「それでは第三試合aブロックの選手の登場です。経歴も生まれも年齢さえも全くの謎分かっているのは名前だけヒロキ選手ーー」ヒロキはゲートから出ると拍手に囲まれた会場に入っていった。こんなことを思いながら「なんじゃこの紹介まぁ、仕方ねーよなーエントリー時に聞かれた質問に全部分かりませんって答えちまったし、異世界から来ました、なんて信じてもらえないだろうしな」そんなことを思っている間にもアナウンスは続いていた。「それに対するはーヤコン村生まれの19歳タイキ選手ーーー」「うわぉ教えたら教えたで恥ずかしいなー」「それでは両者でそろいました。それでは試合スタートです。」その掛け声と同時にピストルのような音で試合の開始が告げられた。試合は一瞬で決着が付いた。試合開始と同時にヒロキがタイキとの間を一瞬で詰めタイキ蹴り飛ばしそのままタイキは気絶したのだ。「勝者ヒロキ」会場は一瞬静まり返った。そして次の瞬間には歓声に変わっていた。ヒロキは歓声を受けながらゲートから出ていった。ゲートから出ると次の試合の為にスタンバイしてたのであろうサキが駆け寄ってきて「今の何したの?」と聞いてきた。「あれはサキの真似してみたんだ」「私の?」「そう昨日魔法教えてもらう時に風魔法で強化した蹴り俺食らっただろ?アレを真似してみたんだ。」「えっと....私の蹴りは風魔法で強化してないわよ」「....マジかそれであのダメージってヤベぇ」「そんなことより蹴りの威力の秘密は分かったけどあの移動速度はどうやったのよ」「簡単さ瞬間的に温められた空気はどうなるか知ってるか?」「わからない」「正解は爆発的に膨張する」「へーで?」「え?ここまで言うてまだ分かってなかったのか、つまりそれを起こして爆発的加速を生み出した。あとはそれを熱で気流を操作して相手にあたるようにすればいいってことさ」「なるほどー」「まぁ俺も上手くいくとは思わなかったけどな。じゃあ次お前の試合だろ頑張れよ」「あ、そうだった。まぁ勝ってくるから」ヒロキは待合室に戻ると椅子に座りサキを中継映像で見守った。時間は少しかかったものの宣言通り勝ってみせた。二人共試合が終わるともう今日は試合がないのでホテルに向かいチェックインを済ませた。部屋は混雑していて一部屋しか取れなかったがサキは大丈夫なのだろうか。「サキ?同じ部屋で大丈夫だったのか?」「え?なんで?もしかして私が女だからその心配なら大丈夫よ。この部屋広いしベットも二つあるし私がベットとベットの間に風の壁を造っておくから安心よ」「サキが気にしてないならいいけどさ」(壊そうと思えば風の壁なんてすぐ壊せるけど俺炎だし...やらねぇけどな)「それじゃおやすみ」「あぁまた明日な」二人は眠りについた。

二日目に続く....

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