第45話 結婚記念日 その21

作った料理を皿に盛り付けた後、クラリスがお風呂から出てくるのをボケーっと待つ僕。

フライパンなどの片付けも終わったので本当に何もする事が無くなったのだ。いつもなら30分ぐらいで出てくるはずなのだが今日に限って少し遅い。ひょっとしたら着替えとか選んでてお風呂に入り始めるのが遅かったのかも。

なにはともあれ暇なので、クラリスがお風呂から出て来るまで今日届くように注文しておいたケーキを眺めていよう。

注文したケーキは少し大きいホールケーキでいちごをふんだんにあしらった豪華な仕様になってた。これならクラリスも喜んでくれるかな?


「お待たせーロッゾ、あ! いい匂いがするわねぇ」

「遅かったねクラリス、ご飯もうできてるし食べちゃう?」

「えぇ、そうね。お腹のすき具合いも丁度いい頃合いだし食べちゃいましょう」

「そうだね、それじゃあ頂きます」

「頂きまぁーす」


まずはガーリックトーストからだ。

しつこくない程度にオリーブオイルがパンに染み込んでおり、いい感じの味になっている。


「ん、オリーブオイルちょっと少なめにした? 前食べた時より味があっさりしてる感じがするんだけど……」

「やっぱり分かる? 前回はちょっと油がしつこい感じがしたから減らしてみたんだよね。丁度いい感じになったかな?」

「うん、この感じ丁度いいわね」

「よかった」


ガーリックトーストを平らげた後はミネストローネだ。トマトの味が濃いかと思ったのだが飲んでみると意外とそうでも無い。薄くもなく濃くもなく、普通の濃さになりいい感じになっている。


「うん、ミネストローネもいい感じね。トマトの味が思ってたより濃くなくて飲みやすいわね」

「そっか、クラリスの好みの味になってよかったよ。チキンとかも冷めないうちにどうぞ」


クラリスが照り焼きチキンに手を伸ばす。

照り焼きチキンはなるべくタレを乗せて焼いたので少し濃い味になっているだろう。

今のところはクラリスが喜んでくれて何よりだ。

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