第46話 結婚記念日 その22

次はチキンの照り焼きだ。

クラリスと一緒に箸を伸ばしチキンを口の中に。タレをたっぷり掛けたおかげか味はしっかり乗っている。食感もなかなか良くチキンはプリプリに、皮も程よく焼けていて少しパリッとした感じに仕上がった。


「うん、文句なしに美味しいわね。味も濃くてかなり私好みな感じになってるわよ」

「ホント? それならよかったよ」


どうやらクラリスもご満悦な様だ。

意外と箸の進みが良く、あっという間にチキンを平らげてしまった。


「早いねクラリス、もうチキン食べ終わったんだ」

「ええ、私もビックリしたわ。こんなにお箸が止まらないとは思わなかったから……」

「気にしないでいいよ。少し余っちゃったやつがあるんだけどそれも食べる?」

「食べる食べる!」

「はは、気に入って貰えたなら嬉しいよ」


そう言いながらキッチンへと向かい余ったチキンのお代わりを3切れほどお皿によそる。更に、クラリス用によそらなかった2切れをお皿に乗せてラップで軽く包んでから冷蔵庫に入れる。この2切れは明日の朝ごはんの時にでも出してあげよう。


「はい、お待たせ。お腹いっぱいになっちゃうと困るから今はこれだけ。あと2切れ残ってるからそれは明日に回しておくね」

「ありがとうロッゾ、でもなんでお腹いっぱいになると困っちゃうの?」

「それは食後のお楽しみと言う事で……ね?」

「そうね、楽しみにしてるわ」

「ありがとう、じゃあ早い所チキン食べちゃって食後のお楽しみと行こうじゃないか」


そう言って残りのチキンを食べ始めるクラリスと僕。特に急ぐ意味もないのでちんたらと食べるが、あまり引き伸ばしてもクラリスがかわいそうなので普通のペースに戻す。


「「ごちそうさまでした」」

「ふぅ、思ってたよりも食べちゃったわね。でもお腹にまだ余裕はあるわよ?」

「じゃあ大丈夫かな。それじゃあ食後のお楽しみと行こうか」

「そうね、どんなお楽しみが待ってるかワクワクするわ」

「クラリスが多分喜ぶお楽しみだよ。それじゃあちょっと待っててね」


そう言って僕はキッチンへと向かった。

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