第39話 結婚記念日 その15
お化け屋敷から泣く泣く出てきた僕達は少しの休憩も兼ねてベンチへと腰かけていた。アレだけ走ってグロッキーにもなったんだ。さすがに休憩しないと僕の体が持たない。
「お化け屋敷なんて行かなきゃ良かったわね……死ぬかと思ったわ……」
「僕もちょっとだけ後悔してる。まぁいい運動にはなったでしょ?」
「そうね、物は言いようね」
クラリスが苦笑いしながら僕の脇腹を肘でつつく。
「クラリスにしっかり休んでもらいたくて折角休みを取ったのに今日は結構動きまわっちゃったね」
「仕事詰めの毎日だったから精神的にはすごく休めたわよ。思い出せば昔も休日はこんな感じだったわね」
「そうだね、あの頃は僕も立派な社畜だったけどクラリスと過ごす毎日はとっても楽しかったよ。今日みたいに動き回った次の日は筋肉痛がすごかったけどね」
「それはロッゾが意地悪した報いよ?」
「ごめんごめん。クラリスの反応がかわいいからついね?」
「まったく、全然反省してないじゃない……」
「それでも、僕はそんな毎日が最高に楽しかったよ」
「私もよロッゾ」
「そろそろ落ち着いたし次の「アトラクションに乗ろっか」
「そうね、日も暮れてきたところだし観覧車なんかいいんじゃない?」
「いいね、観覧車。早速移動しよっか」
そういってクラリスと手を繋ぎ観覧車のある場所へと向かっていく。
移動にかかった大体は7分ぐらいで冬のためか早く日も沈んでさっきより周りは暗くなっていた。
お化け屋敷同様そこまで混んではいなかったが、周りが暗くなってきているせいか少しだけ列が長いような感じがする。
「これはちょっと並びそうね~」
「まぁさっきまではスムーズにアトラクションとか乗れてたんだしこれぐらいは我慢できるでしょ」
「そうね、私たちが乗るころには結構暗くなってるでしょうし丁度いいんじゃないかしら?」
「そうだね、楽しみになってきたよ」
僕達は期待を胸にしながら観覧車に乗るまでの順番を過ごした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます