第24話 飲み会 その3
暴飲暴食。そんな言葉が似合う程、私とサラはおつまみとお酒を楽しんだ。ちなみにロッゾは途中でリタイアし、そこまで酔いが回っていなかった為洗い物をせっせとしている。そろそろおつまみも切れそうだ。ここら辺で解散するのが一番かな?
「いやー、飲んだ飲んだ。今日はありがとうねクラリス、ロッゾ君」
「今日は私も楽しかったわ。明日も仕事なんてダルいわね、私有給使おうかしら……」
「そっか、明日も仕事あるのか……。憂鬱だなぁ……」
「2人ともお仕事頑張ってね」
「しれっと私も仕事に行かせる前提で励ますのは卑怯なんじゃない?」
「だって何だかんだ言いながらもクラリス出勤するじゃん」
「クラリスって意外と真面目だもんねぇ〜」
「な、なによ⁉︎ 真面目のどこか悪いのよ⁉︎」
「「いやぁ〜別にぃ〜」」
何か含みのある様な声でロッゾとサラが答える。
「あっ! そう言えばサラさんって帰れるんですか? ほら、酔いが回ってたら危ないし……」
「大丈夫大丈夫。ワイバーンにしがみつくぐらいなら出来るから」
「ホントに大丈夫〜?」
「安心しなさい。飲んだ後はいつも手錠掛けて飛んでるから、万が一手を離しちゃっても何とかなるわ」
「て、手錠掛けてるんだ……」
「良いわね、私も今度からそれ採用しようかしら」
「えっ……クラリスもやるの?」
ロッゾが引き気味に聞いてくるが、いつも歩くのが面倒くさいから割と本気で考えてる。
「それじゃあそろそろおいとまするわね。今日はありがとう」
「私も楽しかったわ。気をつけてね〜」
「はいはーい。ロッゾ君もありがと」
「いえいえ。これからもクラリスと仲良くしてあげてね」
「もちろん」
そんなやりとりをした後に、サラがワイバーンを召喚して家まで輸送されて行く。
ロッゾとサラを見送ってから家に戻り、ロッゾは私達が食い散らかしたリビングの片付けを。私はお風呂に入って歯磨きをするように言われたので、片付けをロッゾに任せて素直にお風呂に入りながら歯磨きをする。
「はぁ……明日の仕事面倒くさいなぁ……マジで休もうかしら」
明日は結婚記念日だ、一日ぐらいズル休みしても問題はないだろう。というか有給はこういうズル休みをする為にある。…………い、1日だけなら……。
「後でロッゾに相談しよ。まぁ十中八九無理だろうけど……」
少しだけ期待を持ちながらお風呂を出て、洗い物をしているロッゾの所へと行く。なんだか悪い点を取ったテストを親に見せに行く子供の様な気分だ。
「ねぇロッゾ、明日の仕事の話なんだけど……」
「ん、どうしたのクラリス? もしかして休みたいとか?」
「な、なんで分かったの?」
「え? だって明日の仕事の話なんて、休むの相談するぐらいしかないでしょ?」
「あっ……言われてみればそうね」
「でしょ? それでクラリスは明日休みたいの?」
「うん、ちょっと仕事行くのが面倒くさく思っちゃって……」
「いいんじゃないかな」
「……えっ?」
「え? 仕事休みたいんじゃなかったっけ?」
「そ、そうだけど……」
「ひょっとして止められると思った?」
「……うん」
「いつも頑張ってるんだし偶には休んでもいいんじゃないかな? ……と、僕は思うんだけどなぁ……ひょっとして止めて欲しかった?」
「ちょっとだけ……」
「みんなの仕事が詰まっちゃうから……とかが理由?」
「まぁ……そんな所ね」
「なるほどね。確かにみんなには迷惑掛かるけど、それってクラリスが休んじゃいけない理由にはならないでしょ? クラリスにだって休みたいと思う時はあるし、 休まなきゃいけない時もある。だからクラリスは休んで良いんだよ。その為の有給でしょ? 有給は誰にだって使う権利があるんだから」
「そうね……そうよね。なんだか吹っ切れたわ。明日は休む事にする。結婚記念日だしね」
「うん、それがいいよ。明日は早めに会社に連絡を入れておいた方がいいね」
「分かったわ。明日はいつも通り起こしてくれる?」
「りょーかい。僕もお風呂入って来ちゃうから、クラリスはゆっくりしてて」
「分かったわ」
そう言い残してロッゾがお風呂へと向かう。
「やっぱり夫婦っていいなぁ……」
そんな愚痴を零す私。
せっかくの結婚記念日だ、明日はどこかにお出かけでもしようかな……?
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