第25話 結婚記念日

クラリスが寝静まった深夜の2時頃、僕はクラリスを起こさないよう細心の注意を払いながら布団を出る。なんでこんな時間に起きるのか? それは、クラリスへのプレゼントを準備する為だ。

クラリスとはそこそこ長い付き合いなのだが、クラリスはサプライズをすると毎回喜んでくれる傾向にある。クラリスも僕も結婚記念日を楽しみにしていたし、どうせ楽しむならとことん楽しみたい。というわけで、今日はもともと僕がクラリスとのデートプランを考えていた。最近はクラリスも根を詰め過ぎてたからちょうどいいと思ってたしね。

そんな訳でせっせとサプライズの準備をする。まずはクラリスの枕元にプレゼントをセットし、その後に少し豪華な朝食を作る予定だ。起きた時にクラリスがどんな反応をしてくれるのか今から楽しみだなぁ。

キッチンに隠しておいたプレゼントを一旦取りに行き、再びクラリスに気付かれない用に忍び足で布団へ向かう。

後は朝になるまで待つのみだ。寝坊しなきゃいいんだけどね。


「……おやすみ」


そう、ボソッと呟いてから浅い眠りにつく。





「…………ん……んぅ……」


クラリスの枕元にプレゼントを置いて寝た後、いつものルーティーン通りふと朝の5時に目が覚める。

どうやらクラリスはまだ寝てる様だ。先に畑の水やりをやってしまおう。なんせこの後はクラリスとのデートだ。やるべき事は先に済ませて今日ぐらいはゆっくりしたい。そんな訳でまずは畑に水をやりに行く。

野菜達に水を掛けなが成長もちょくちょく見る事約15分、やっと全ての野菜に水と肥料を与えきる事ができた。


「さて、家に戻って朝ごはん作らなきゃな」


家に戻り、軽く手を洗ってからキッチンへと向かう。今日の朝食はサンドイッチだ。結婚記念日なのにそんな普通で大丈夫なのか? と思う事もあるだろうが、これにはちょっとばかし理由がある。今日はクラリスのデートをするのだが、昼食をデート中に。夕食は僕の手作り料理を振る舞う予定だ。

まずはパン4枚を粉チーズを振ってから2枚トースターで焼き、その間にレタスとハムを適度な大きさに切る。

野菜を切り終えたら次はコンソメスープだ。鍋に水を入れてから火をかけ、沸騰してきたらコンソメの素を鍋に投入する。そのあとに小さく小切にしたジャガイモとキャベツ、クルトンを入れ数分間待つ。

ちょうどパンも焼けたようなのでパンを皿に取り出してもう二枚のパンと入れ替えて焼き、そのあとフライパンに油を引いてからベーコンと卵。そしてウインナーを軽く焼く。

コンソメスープはいい感じに出来たのでお椀によそり、焼けたベーコンとハムをパンの上に乗せる。その上に先程切ったレタスとハムを乗せ、それをパンで挟む。そうしたら包丁でパンを二等分にして完成だ。

時計を見ると、まだ5時48分だった。もう少しで僕の分のパンも焼けるので、朝食が完成してからクラリスを起こしに行こう。

少しするとパンが焼けたので、先程同様具材を挟んでから包丁でカットする。


「ん〜……なんか物足りないなぁ〜。ヨーグルトでも追加しよっかな」


そういう訳で、冷蔵庫からヨーグルトを取り出しブルーベリージャムを混ぜてテーブルに並べる。


「うん、こんな感じでいいかな」


簡易的な朝食ではあるが、そこそこ美味しく出来たと思う。


「さーて、クラリスを起こしに行きますか」


そう呟いて、寝室へと向かう。

今日は楽しい一日になるといいな……。

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