さっき見た夢の話

@biafra80

さっき見た夢の話

 天満宮の敷地外側が野球場になっているという二重構造で、更に野球場の敷地境界には大人の背の高さよりやや高めのコンクリート塀が立っていて、野球場では大学生が練習していたんだが、少し離れた所が土手状になっていて、そこから中の様子を見る事が出来た。

 沢山の野球部員達が走ったり打ったり守ったり様々な練習をしているのが見えた。皆が着ている土で汚れた白いユニフォームには胸の部分に「理科大」とえんじ色で刺繍がしてあった。「東京理科大?」と思わず呟いた、つもりだったのだが声が大きかったようだ。

近い所に居た一人が「違いますよ」と返事を返して来た。どうやら只の「理科大」というのがあるらしかった。「僕たち遠征で来ているんです。あちらの建物で今から交流会をするんですが、ご一緒にいかがですか?おいしいお菓子もありますよ」という話をされたが頭の中が?マークだらけになった。野球の練習をしているのに交流会?誰と誰の?腑に落ちないが、美味しいお菓子という言葉に釣られて僕達は行ってみる事にした。


 建物内部はまるで上映中の映画館の中のように真っ暗だった。唯一の光源はスクリーンに映し出されたサッカーの試合の映像だった。黄色いユニフォームのチームと水色のユニフォームのチームが戦っていた。画面の隅にテロップでカタカナで選手名やら得点やらが時折表示される。ワールドカップか何かの映像だろうか。少し落ち着いて耳をそばだててみると、映像に伴って聞こえる音声は、解説やサッカー場の音声ではなく、ラジオ番組のようだった。落ち着いたジャズが流れ、曲の合間にDJが何か喋っていた。更に注意深くラジオのDJの言葉に耳を傾けると、今からかかる曲のタイトルは少し聞き取りにくかったが「ペドロニコロ(ニコライ?)フィールド」というらしかった。

 何かピンと来た僕は、サッカーの映像に目を戻して表示される選手名を注意深く観察した。ペドロという選手、居た。黄色いユニフォームのチームだった。ニコロ(ニコライ?)という名前の選手も居るのかな?と思ってしばらく画面を注視し続けていたら、ニコライも居た。ニコロでもニコルでもなくニコライだったのだ。

一体なんなんだこの状況は?

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