第30話:山下君との最高の思い出づくり1(202301-03)

 春が来て、花見のシーズン、レンタカーを借りて4人で花見の名所に出かけた。桜の下で、お弁当を広げて、ゆっくりと食事をして、記念写真をとって、楽しいひとときを過ごした。また高遠の小彼岸桜も見に行き混んでいたので長居せずに写真を撮って、さっさと帰ってきた。山梨県の北杜市の山高神代桜も圧倒的なスケールの桜で感激した。慈眼寺のしだれ桜も、その美しさに4人とも口をあんぐりという感じで見ていた。いっぱい写真をとって楽しい春を楽しんだ。


 6月初旬には横浜の開港祭にも出かけてた。やがて梅雨になりシェアハウスで、麻雀を楽しんだ。7月に4人で石島さんの会社の北海道の別荘型シェアハウスに3泊4日で出かけ、加藤と山下さんでドライブして札幌、小樽、函館、日高の牧場を巡った。札幌でジンギスカンを食べて函館のいかそーめん、小樽の寿司屋で「うにとイクラの丼」を食べた。ひなびた温泉巡りをして充実した4日間を過ごした。その後もシェアハウスので麻雀で、つきが、くるくる回り勝ったり負けたり実に楽しい時間を過ごすことができた。


 9月中旬には曼珠沙華の花が咲き出した。9月18日に山下、加藤、北山、佐島米子の4人で神奈川県伊勢原の日向薬師へ曼珠沙華を見に出かけた平日というのに、多くの人だったが、ゆっくりと歩きながら写真をとったり曼珠沙華をバックに記念写真を撮ったり、昼から2時頃の暖かい時に散歩して回った。大山名物の豆腐を食べて早めに帰宅した。


 10月下旬のある晩に、山下の部屋に加藤と北山と佐島が夕飯後に呼ばれていった。最初に山下さんが、いろいろ世話になりありがとうといった。佐島が何言ってるのよ、まだまだ一緒に、みんなで楽しんでいきましょうと言うと、山下が、私もそう思うのだが、そんなに長く、いられないような気がするんだと、小さな声でいった。加藤が、そんな弱気でどうするんだよと励ましたが、山下が、何か、そんな気がするだと言った。


 続けて、ところで、ここに3冊の預金通帳がある。いままで、臨時収入があるたびに、東北の大震災で両親を亡くした子供達のためにY社を通じて、募金していたんだ。私は、女房に、先立たれ、子供や仲の良い兄弟、親戚もいない。そこで、もしもの時に、私の思ったとおりに使って欲しいんだと言った。定期的に一定額ずつ、Y社を通じて、東北の大震災で両親を亡くした子供達のために募金して欲しい。

残ったお金を基金として、できたら君たちの善意のお金を足して募金の和を大きく長く続けて欲しいと言った。


 佐島が石島さんからいただいたお金もあるし、わかりましたと言った。加藤が、わかったよ、ネット募金は、私が責任をもって継続して行く、また我々も募金するし、募金の和を広げる活動も手伝うと言った。山下が、加藤の手を握って、その時は頼んだぞと言った。加藤は、山下の手を強く握り返し、これは男と男の約束だと言い、力いっぱい握り返した。加藤、佐島、北山の3人とも協力を約束した。

 11月になり、木枯らしが吹いて寒くなって来た。加藤達、4人組は毎晩の様に麻雀して遊んでいた。12月に入り、ちまたでは、インフルエンザの流行がニュースになるようになってきた。

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