第20話:大洋の村の再開発3(202104)

 翌朝、山下が珈琲をいれてくれ、その良い香りで、皆、起きて、朝食をとった。

山下が今日は、水戸方面に北上か、西に向かい霞ヶ浦、土浦、つくば、又は、南下して、成田か銚子方面、どれが良いと聞くと、女性達が那珂湊へ行き、魚を食べ買い物もしたい言うので決まった。


 朝9時半に51号線を北上、一車線だが空いていて一時間強で那珂湊に到着。まだ早いので、ひたちなか海浜公園に向かった。広い公園にスイセン、ハナモモ、チューリップが綺麗。10時半に入館して、植物を見て回った。その後、那珂湊お魚市場へ行き寿司屋に入り丼を頼んでゆっくりと味わった。旨いのは、もちろん、色鮮やかな、魚が豪快に丼に盛りつけてあった。食後に大洗のめんたいパークに行きたいと言うの向かった。そこは、有名な明太子・かねふく・めいたいこの製造工場だった。ゆっくりと一時間かけて工場、施設の見学をした。フードコーナーでも、めんたい・にぎりや、明太ソフトクリームを楽しんで2時に出た。その後、北山がせっかく水戸の近くに来たのだから水戸の偕楽園と見学して納豆も買って行こうと言う事になった。偕楽園を少し歩き、近くの「徳川ミュージアム」も見学した。結構、歩いたので車で寝る人もいた。


 3時に水戸を後にして帰路につき、4時過ぎ鉾田の老人シェアハウスに着いた。また、賄いの清水さんが来られて焼き魚の夕食を作ってくれた。夕食後の雑談で、今日、大洗、水戸へ観光に行ってきたことを話した。すると、清水さんが、ここらは、昔、都会というと水戸で、買い物や、デパートの食堂を楽しみにしていたと

話してくれた。大洗の魚市場は、近所の人が行く時に、良く買い物を頼んでものだと言った。時間的には土浦と水戸、同じ位かも知れないと言った。


 千葉の方に行く事は滅多にないそうだ。ここも過疎化がひどくて大きな農家の跡取りが都会に出て帰ってこなくて、空き屋が増えている。農家ではシェアハウスにしてもらった方が家が長持ちするし土地の持ち主も売らずに、貸す事によって年金みたいに収入になるのはありがたいと思っている様だ。清水さんにお礼を言い別れて入浴後、就寝。


 翌日、10時頃、石島さん達がやってきた。石島さんが、開口一番、どうでしたかというので、山下さんが、スーパー1軒、大きな病院まで車で1時間、天然温泉なしで正直言って、不便という感じだと答えた。そうですか、やっぱりと石島さんが言うと、佐島さんが家が広くて良い、また大きな国道にも面してる大きな農家のシェアハウスは住み心地、悪くないですよと言った。


 石島さんが、こう言う大きめの農家の空き屋が、まだ、ありそうなんですが話を進めても問題ないという事ですかと聞き返すと、ここの土地の不便さは、ありますが、こんなに大きな農家と離れを持ち、防風林まである、こんな家は全国的にも少ないじゃないですかと言った。シェアハウスとして、広く、明るい日射しが入り、庭が広く、日常生活するには、むしろ良い方かも知れないと言った。これには他の3人も住みやすさはあるかもしれないと賛同してくれた。石島が面(地域)として考える

のではなく点(家)としてシェアハウスを見る事ができると言うことですかと聞き返した。佐島がそうですと答えた。確かに老人が車で買い物で多く出かける事は少なく家の中にいる時間の方が長い。その点で住み易さの方が重要だと言う事ですねと聞き返した。山下さんがそう言う事じゃないですかねと言った。そうか逆転の発想か、実は、そう言う意味では、このエリアには、この様な物件が多そうなのですと言った。


 改修して賃貸で貸したいと言うオーナーが多いと言うのだ。大洋の村の悪いイメージでなく鉾田市と言う事で大きな道沿いの大きな家と離れのあるシェアハウスとして、開発していく決心がついたと、ちょっと上気した笑顔で石島さんが言った。

ありがとう、皆さん、これで会社にも良い報告ができると喜んでくれた。

 マイクロバスで、山下さん達4人を送ってくれた。帰って加藤さんが今までの体験宿泊した中でも最も役に立ったようだねと、喜びながら話していた。

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