第11話:高崎のAP形式のSH体験宿泊1(202003~07)

翌週、不動産会社の石島さんが、老人マンションを訪ねてきて、体験宿泊のお礼と、アンケート用紙を持参した。前と同じ様に支払いの書類を各自に渡した。

 その後、石島さんが真面目な話、冬温暖な南房総と観光地が多く、温泉の多い甲府周辺に我が社では注目していると話して農家の家とか空きの多いアパートなどを訪問して営業活動をしていると話した。特にアパートのサブリース問題、つまり長期間の家賃保証制度で、トラブルが起きている事例が多い地域に、目をつけていますと言った。関東郊外のアパートの空き物件の多いエリアを回って、老人シェアハウスの長期契約の話をして、一部の地域では契約が進んでいる様だ。


 アパート形式の老人シェアハウスの特徴は、プライベートを大事にしたい方にとっては好評いただいいていると言った。そのタイプの老人シェアハウスは入居者さんには個々のアパートに住んでもらい近くに集会場みたいな施設をつくり、そこで、食事、歓談、趣味、音楽を満喫してもらう形式で既に40棟以上、7施設が営業開始

していると言った。メリットは手ごろな値段で利用できる事、あまり人づきあいの苦手な方でも、自分の部屋で自由に生活できるし、集会場に常駐している。管理人さんが、毎日、見回りくるシステムになっている。

 宇都宮、高崎、水戸の郊外や東京から私鉄で1時間以上の郊外で最寄り駅まで遠い、車がないと不便というのが難点だと言った。その分、保証金なしで価格は、食事なしで、最低、月に5~7万円からと、食事つきでは月、8~10万円、一年分、前払いで割引なるそうだ。石島さんが、こういう施設の体験宿泊をして、問題点や

気の付いた意見を聞きたいので、また4人にお願いしたいのですがと話した。


 山下さんが、石島さん、あと何回、体験宿泊をしてもらいたいのと質問すると2回ですと答えた。1か所が高崎でもう一つは東松山です。山下さんが、反対される方はいませんかと、残りの3人に聞いた。北山さんが2回で終了ですねと確認できれば了解しますと言った。他に反対はなく翌月と翌々月に体験宿泊する事にした。


 日程は、後日石島さんに伝えると言うことになった。翌週火曜日、高崎のアパート形式のシェアハウスに体験宿泊と決まった。4人は前もって、新幹線の切符を送ってもらい当日は十時の新幹線に乗り11時過ぎに高崎で待っていた石島さん達の車で20分めざすシェアハウスに到着した。あたりは田んぼと畑が多く、まさに田園風景だった。近くの集会場の様な大きな家に入り、石島さんたちが用意してくれた弁当をいただいた。その後、近くのショッピングセンターへ行き、近隣調査を始めた。大きなスーパーが数件あり問題なし。バス停までは徒歩15分で本数も少なく、車が必要。

 車で15分の所に温泉施設があった。折角なので湯につかって休む事にした。デラックスな設備ではないが安い値段で問題はない。帰りにスーパーで食料を買いこんで帰る事にした。


 集会場で、ゆっくりしていると夕飯をつくってくれる木下さんが来られた。

 挨拶後、高崎では小麦生産が盛んで、パスタ料理がちょっとした名物だといいニンニクのきいた、アサリのボンゴレをつくりますと言った。ワインも持参したと言うので大喜びをした。少しして、にんにくの良い香りが鼻をくすぐった。

 パスタを取り分け始めたので加藤さんがワインをグラスに注ぎ始めた。このボンゴレが、実に旨い、ワインまでついて、ちょっとしたディナーパーティーとなった。


 食事を終えて、佐島が冬は寒いのですか、また雪は降るんですかと質問した。雪は、あまり降らない。朝もマイナス10℃程度までで、特に寒いとい事もないが冬の昼間に空っ風が吹くのがきついかなと言った。

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