第3話:高齢者シェアハウスでの運営会議(201808~09)

 翌週、二人目のケアー担当の佐藤正子さんがやってきた。鈴木和美さんと二人体制で今後、やっていきますので宜しくと挨拶をした。その後、長野さんが各自、得意分野で教室を開きませんかと言った。具体的に、例えば、月曜の午前10時からインターネット教室、火曜の午後2時から占い教室、水曜日の午後2時から麻雀教室、木曜の午前10時から投資教室。金曜の10時からパソコン教室。

 時間は、1時間と決める。どうですかと、みんなに聞いてみると、おおきな拍手で承認された。土、日のどちらかで、気が向けば、麻雀大会、持ち寄りの賞品で1~3位の賞品を用意したりすると楽しみも倍増する。


 吉武さんがケアー担当の佐藤さんに、例えば数人で日帰りとか1泊くらいで小旅行なんか、しても良いのですかと質問した。佐藤さんが必ず携帯電話を持参し行動してもらえれば自己責任で自由に企画していただいて結構ですと言った。但し企画が決まり次第、最低7日前には、ケアー係に提出して下さい。もちろん冬山登山とか危険を伴う事はやめてもらいますがと言った。基本的には支援、介護の必要のない人ばかりなので自己責任でご自由に楽しく過ごしていただくのがモットーですと付け加えた。


 翌週から日程とカリキュラムを張り出して1日1教室を開始した。2週間が過ぎで麻雀の人気が高く、知らない人も教えての要望が増えてきて、日程関係なく時間のあるとには、麻雀牌を表にし見える様にして、こう入ったら、こう打つ、こうしたら駄目とか、解説をする様になり、2卓8人で、上手い人達は競技形式で自動麻雀台で楽しんだ。知らない人や、初心者には、ベテランさんから、見えるようにした麻雀牌で実際に、ゆっくりと掴んだ牌と捨てる牌の理由をその都度、教えてもらう様にした。1ヶ月後には多くの人が麻雀ができる様になり8人、2卓で対戦を楽しむようになった。ただし時間制限を設けて10時から午後3時までの時間で、最大4時間と

決めて楽しむようになった。


 その他では、占いの上手な山田君子さんがタロットや、風水、星座、手相、人相占いで、シェアハウスの住人をみてあげたりして、喜ばれるようになって言った。また、読書好きで、小説を書いたり、短歌、俳句の得意な佐藤みどりさんには、多くの人が、いろんな質問をして、重宝がられていた。


 山下圭介さんが無類の珈琲好きで、サイフォンで豆をひいて、珈琲を楽しんでいた。そのたびに、良い香りがシェアハウス中にただよっていた。そこで住人の中で数人が、珈琲を飲ませて下さいと言いだし6人用の硝子容器とおおきなサイフォンを買って山下さんに入れてもらうようにお願いした。山下さんは、申し出を快諾して、毎日入れてくれる様になった。そして各人から、どの様なタイプの珈琲が飲みたいのか聞き出し、それにあった、珈琲豆を選んで、ネットで買うようにしてくれた。

 お金を出すというのだが、山下さんがいらないというので、大きめの貯金箱を用意して一杯いただくごとに最低百円を入れる様にした。


 佐藤広さんは、紅茶のマニアで、毎日、数種類の紅茶を楽しんでいた。紅茶もみんなに好評で、無料で入れてもらっていたが、珈琲と同じ様に最低百円を出すようにして継続できるようにした。その珈琲、紅茶にあう、和菓子、洋菓子、ケーキ、菓子パンを買ってくる様になって、毎日、お茶会が盛んに行われるようになっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る