第3話 いろんなパズル
世の中にはたくさんの人がいて、それぞれこころの中に別の形のパズルを持っています。
そして時にはそれで問題が出てくることもあります。
例えば、自分のパズルが絶対に正解に決まっていると考える人もいるでしょう。それが他の人のパズルに近いものならそれほど問題も無いのですが、大きく違っていると周囲との溝が大きくなってしまいます。
それが内向きな場合は、その正解のパズルを抱えてどんどん自分の中の世界に閉じ籠もっていってしまいます。
反対に外向きな場合は、自分のパズルは絶対に正解で他の人のパズルは絶対に間違っていると言い張るという人もいるでしょう。どうしても我慢出来ない場合は無理やりにでも自分のパズルが正解だと押し付けるような人もいます。
また何が正解のパズルの形なのかまるで分からないという人もいるでしょう。いつも正解のパズルを求めて、それが見つかったら自分の中のパズルもそっくりそれに作り変える。
世界を見て感じてパズルを組み上げるのではなくて、他の人のパズルを見てそっくり写し取るというタイプの人。
そして特に理由もなく「これが正解のパズルです」と言いまわるような人もいます。
それが本当にその人の持つパズルなのかは分かりませんが、とにかく「これが正解」と言い続けるタイプの人。
世界に自分しかいなければパズルは自分自身のもの1つだけなのですが、他にもたくさんの人がいるとそうも言っていられません。またパズルも完成することはなく、よりキレイで美しいパズルを求め続けるのなら新しくピースを生み出したり組み替え直したりしていく必要があります。時には反対に汚く醜いものを求める、そういう場合もあるでしょう。
自分が望むパズルを作り上げるには、他の人のこころのパズルを作り換えてもらう必要も出てくる場合もあります。無理やり作り換えさせる、とにかく信じて作り換えろとねじ込む、話し合ってそうしてもらうようにお願いをする、などなど場合によっていろいろ手段が出てきます。
そしてこちらが望むパズルの形が気に入らないという人も当然出てくるでしょう。無理やりになんてやっていたら、反対にこちらのパズルが崩されてしまうなんてことも出てきます。誰もが自分の望む形が一番と言い始めて引っ込みがつかなくなってしまうと、もう収拾が着きません。
また他の人からニセのピースが出されたり、強引にピースが壊されたり、組み上がっていたパズルが崩されたりなんていう妨害が起きることも出てきます。反対に自分自身が他人に対してそうやってしまうという場合も出てきます。何気ない一言で相手のパズルが崩れてしまう、なんてことだってありえます。
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