第2話2017年
この年、私は二社目のホテルに入社しました。
一社目のホテルは人間関係や低賃金などを理由に退職しましたが、私はどうしても経営を学びたいという思い一つで、もう一度ホテルへの就職を目指し行動しました。
高校時代に磨いた英語力に加え、前職にて独学した北京語を武器として利用し、みごと採用されました。
フロントや食事会場などを担当するのですが、この会社も失敗だと入社直後に痛感しました。
まず、賃金の総支給額が、ハローワーク求人票での表示額に達したことは一度もありませんでした。
一ヶ月の総支給額が十万円に達すれば上等、というほどです。
さらにご宿泊されるお客様の組数が非常に少ないので、経営者視点でどのように考えても赤字でした。
いまでもそのホテルが存在するのかは知りませんが、きっと火の車でしょうね。
これ以上悪態をついても仕方がないことですし恥ずかしいことなので、ここで鬱憤を抑えます。
私はその会社に一年間勤め、退職後は貯金として前職で頂いたチップ、ナイトワークのアルバイトで食いつなぎました。
ちなみに雇用保険は満一年まであと数日でしたので、適用外でしたが、私は一日でも早く地獄を離れたかったので、雇用保険受給権利を放棄しました。
はっきり言って、高校卒業から約十年間、私は己の生活で精一杯でした。お恥ずかしいほど。
それでも、私は二つの夢をどうしても諦めることができませんでした。
一つ目の夢を叶える方法を、未だ知る術もないというのに。
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