第20話 かしましパーティ
勇者ダンは、ヒラリーが男(の娘)であるなどとはつゆ知らず、肝心なタイミングでそれが露見したことで大きなショックを受ける。
つまり、ダンは
その結果、ダンはパーティを解散してソロプレイヤーになってしまった。
もっとも、元の能力の高さから、ソロになったとしても冒険は続けることができ、生活に困ったりすることはないだろう。ある意味更生のためのいい機会だろう。
パーティを編成しなくても、魔王への対抗勢力として期待している。
そして、マヤは棚ぼたで元勇者パーティのメンバーを仲間に引き入れることに成功した。
元勇者パーティのメンバーということで、レベル、知名度共にマヤより優れている。
他人のステータスを知る方法はなくあくまでも自称だが、こんな感じだ。
エミリー : LV 41 Bランク騎士
フランソワーズ: LV 43 Bランク賢者
ガーネット : LV 45 Bランク魔導士
ちなみに、アレン達のパーティがどうなったのか探ってみたところ、以前より有名になったためか、既に欠員補充が完了していた。
それであればなおのこと、元勇者パーティと合流するのがよさそうだ。
何というか、『被害者友の会』みたいな感じでずいぶんと強力なメンバーシップが確立されたようだ。
今までの抑圧もなくなり、かしましいパーティというのもよい感じだ。
まだ、ダンからの洗脳、というのか依存体質から抜け切れていないこともあり、LV、知名度は一番低いものの、マヤがパーティリーダーを担当することにした。
それでも、さほど遠くないタイミングでマヤもBランク魔法剣士になることができるだろう。
えっ、
この程度でへこたれることなく元の鞘に収まっているだろう。大丈夫だ、問題ない。
という訳で、あらためて女4人のパーティで魔王退治を目指すことになった。今度こそ帝都を離れ、西を目指す予定だ。
「魔王退治を目指すとして、まだ装備が心もとないわね。帝都の店頭で見かける装備以上に強いものって、どうやったら手に入るのかしら?」
マヤの問いに対して、フランソワーズが反応する。装備品等に詳しいようだ。
「帝都の西の工業地帯で、どえらくいい店知っとる。だもんで、一緒にいこみゃあ」
「ほな、ぼちぼちいこか。ぎょうさんこうたら、まけてくれまっか?」
「ほいじゃあ、はよぉいこうやー。行きしなにぶちうまかもんがあるけぇのう」
ちなみに、大阪弁を話すのが騎士のエミリー、名古屋弁を話すのが賢者のフランソワーズ、広島弁を話すのが魔導士のガーネットだ。
もっとも、元勇者パーティとして色々なところを飛び回っていたくらいなので、普段は共通語を話していて今回はわざとだ。テンパった時にごくまれに地が出てしまう程度である。
あらためてパーティメンバーを見てみると、職業といい出身地といいなかなか個性溢れるメンバーが揃ったようだ。エミリーは大阪のおばちゃん、ガーネットは食い気といった雰囲気だ。
帝都から西に進んだ先に位置する工業地帯については、フランソワーズが詳しそうなので案内を任せよう。ここで装備を一新して、これからの戦いに備える予定だ。
次の目的地は『サイレントヒル』の街と決定した。
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