魔術師 戦い方を教える
アリス君を庭へと案内し約束通り彼女に授業を始める。
実戦で使う魔術の殆どは単属性の魔術だ。
複数の属性での魔術は繊細なコントロールが必要で実戦には不向きな場合が多い。単属性なら一つの属性に変換するだけだし、スペルもシンプルで効果も単純なものが多い。
「だから、実戦を意識するなら単属性魔術を練習しなさい。無詠唱で放てる位なら私のように一人で冒険者としてもやっていける。君は短縮詠唱が出来ていたから練習すれば出来るはずさ。」
「それなら魔方陣を刻んだ武器を使った方がよくないですか?」
確かに彼女の言う方法もある。構成だけ刻んだ魔方陣なら属性を変換するだけで全属性の魔術を放てる。しかし、魔方陣には欠点がいくつか存在する。
「魔方陣を使う方法も存在するが、欠点が幾つか存在する。一つは出力が一定であること。二つ目は空中に展開される魔方陣で放つ魔術がばれる事だ。後、道具に依存していると寝込みを襲われた時に死ぬぞ。」
魔方陣の欠点の一つは出力が一定であることだ。展開された方向にしか放てないし出力の調整や曲射や散弾の様に応用を持たせられない。
二つ目は魔方陣で魔術を発動する場合、魔方陣が展開されてから発動する。だから魔物ならまだしも対人相手では対処がされやすい。
そもそも魔方陣は2属性以上の属性が必要な魔術を扱うための研究技術であって戦闘技術ではない。
一応護身用として[閃光]の魔術を刻んだ指輪等は存在するが。
「無詠唱で体内で魔術を構築出来る様になれば魔力に敏感な魔物や対人戦闘は確実に戦いやすくなる。それに慣れてくれば複数同時発動や曲射だったりと応用を効かせられる。」
話をしていたら楽しくなってきた。
「よし、決めた。君には授業が始まるまでの目標として無詠唱をマスターさせよう。なに心配はいらないコツは教えるし万が一腕が吹き飛んでも私は治療出来るしね。」
「え…?吹き飛んじゃうんですか!?」
「腕は大げさ過ぎた、指くらいだよ?」
おや、顔が青いぞ?
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