改稿版を拝読してから、初稿を拝読いたしました。
改稿版の冒頭を読んだとき、この作品は少し堅めで、旅籠ながさき亭が舞台となる物語だと思いました。
しかし、最後まで読むと、二人の掛け合いの様子から堅めというほど堅い作品というわけでもなく、ながさき亭という場所で起こる事件の物語というよりも、「ふたりの楽しげな日々がこれから始まる」予感、期待感がメインに感じました。
冒頭と、ラストの間に、違和感があります。本当に呼び込みたい読者を冒頭で排除し、別の読者を呼び込み、途中で離れられてしまいそうです。そうなってしまったら、勿体無いです。
初稿に戻って読み、応援コメントの指摘点を読んで、改稿版に納得しました。
既に改稿されているのに、いまさら気になったことを指摘するのは気がひけるのですが、ブラッシュアップ企画の参加作品なので、いちおう、書きます。でも、私個人がそう思ったというだけの「いちおう」で、それほど深刻に捉えないでください。お願いします。
改稿版についてです。
短編とは思えませんでした。これから始まる長編のプロローグに感じます。
(あとで、水円さんの近況ノートを読んで、本当にプロローグであることを確認しましたが、読んだときには単独の短編として読んでいたので。すみません)
短編として独立した作品であるなら、何が主題になるのかを考え直さないといけないと思います。ここに書かれた文章だけで、魅力があり、読み応えを感じるものでなくてはいけないと思います。
冒頭の旅籠の様子が詳しいので、それが重要な情報であるように感じ、頭の中に旅籠を描きます。けれど、最後まで読むと、旅籠は全然、関係ないのです。詳しく語るのなら、倉の様子であるべきですし、もっというのなら、倉よりも登場人物ふたりを語るべきだと思います。
信三郎が武芸が達者であることは紹介されていますが、本文中では学がなく、ごろごろしているだけです。短編でこれだけの出番しかないのに、せっかく出てきたのに映えません。ごろごろしていることに意味があればいいのですが、ごろごろしているだけです。
みなもは、「女に見えなくもない」と紹介され、実際、女性です。女性かもしれない「源」なる人物がやはり女性だった、と最後に分かるだけでは驚きもドラマもありません。
二人のいいところはたくさんあるみたいなのに、本文中でいいところがないのです。
具体的な提案は、企画ルール上、駄目だったはずなので、書けないのですが、読者がAと思っていたのがBだった、みたいな、何かがほしいと思いました。
不躾に失礼いたしました。
作者からの返信
ご指摘ありがとうございます。
月ノ背さんの仰る通りなので、穴に隠れてしまいたい気分です(笑。
まず、旅籠の様子。分かってはいたんですが、カメラワーク的に考えて、旅籠→中庭→紅梅→倉、こんな感じでだったので、あんな風になってしまいました。冗長すぎるのは直さなければいけませんね。もう少し表現力を磨かねば。これに関しては長編のプロローグだろうと短編だろうと関係ありませんからねー。
「女に見えなくも無い」——これは私の初歩的ミスです。本来であれば、「小柄な男に見えなくも無い」とすべきでした。丸っきりの初歩的ミスです。……年はとりたくないですね(笑。
まぁ、残りの点に関して言えば、長編のプロローグと捉えて頂ければ、許容して頂ける範囲なのでは、と勝手に思っております(笑。ですので、「そーゆーこと言ってンじゃねえっ!」みたいなところがありましたら、私の近況ノート辺りに書き殴って頂けたら幸いです(平身低頭。
主催の許可があったとはいえ、「短編」と書かれているところに「長編のプロローグ」を突っ込んだ私が悪いと言えば悪いです。他の参加者を混乱させてしまいましたからね。
この場を借りて、主催の水円さん、他の参加者の方々にお詫び申し上げます。
編集済
初稿と改稿編で、どちらに書き込んでいいのか迷って、こちらに書かせて頂きます。
(すでに改稿編があって、びっくり!皆さんのご意見が集まってからと考えていたのですが、遅すぎ……?)
とても言い難いのですが、この蒸気船の狂歌の取り扱い、おかしな事になってます。
この頃には庶民もお茶を飲むのが当たり前となっており、宇治の最高級品茶葉が喜撰であることは、常識となっています。
おまけに、この狂歌は庶民が幕府の慌てぶりを笑ったもの。
この頃には、句会や歌会は全国に広がり、ちょっと進んだ地域なら農村にもあった程です。
さらに、その句会や歌会には身分の隔たりがありません。
この頃よりもさらに前、天保年間に赤穂浪士が吉良邸に討ち入る前に集合した蕎麦屋。その二階に集合したときの理由を、句会と称しています。
何故なら、句会としておけば、それなりの身形のいい武士、町人や農民に身をやつした浪人が一同に会しても、おかしくないからです。
詰まりは、庶民と繋がりの多い下級武士であるからこそ、信三郎がその意味を知らないはずがない。それでも知らないようであれば、この信三郎は有り得ないほどの……となってしまいます。
ですから、このエピソードは差し替えるか、話しの展開を変えたほうがいいと思います。
さらにさらに豆知識なのですが、わたしたちの時代では当たり前のこの狂歌、詠まれたのが明治以降という疑いが持たれ、現在では教科書や資料集にも取り上げられておりません。
事実上は、確かな証拠も見付かり、ペリー来航時に詠まれたものとはわかっていますが、先の理由から「ゆとり世代」以降は馴染みのない狂歌となっているのですよ。
その他は、月ノ瀬さんと重複するので省きます。
長々とすいません。m(_ _)m
作者からの返信
大変貴重なご指摘、誠にありがとうございます!
単純馬鹿的短絡思考で、黒船→例の狂歌という流れです(笑。
実にそんな事情があるなんて露とも知らず、結果的に赤っ恥になってしまいました(ノ´∀`)
差し替えた方がいいですね、これ。
大変勉強になりました。
幕末の歴史そのものはそれなりに詳しいとは思っていますが、文化とかその辺はダメですねー。勉強やら資料集めが絶対に必要です。
では、ver.3.0の改稿に突入しますかヽ(゚∀゚)ノ