第11話~お泊り~

 ーユリスノース―


ユリスノースはユリスガーデンに比べて

少しばかり人口が少ないが

露店はかなり多く,

ユリスガーデン以上の

賑わいを見せていた



「しかし宿が見つからないな」

俺たちは宿探しに苦労していた。

どの宿も満員だそうで

結局5軒回ったが未だに俺たちは

宿を確保することができていなかった


「野宿かな~」

健太が諦めた口調で言う


野宿なんか勘弁だそもそも

こんな雪国で野宿なんて

自殺しますなんて言ってると

同じことだ。


俺たちがトボトボ歩いていると、

何かありそうな路地裏を見つけた。


「なんかあるに違いない!行くしかない!」

何かあるなんて根拠はないが

とりあえず俺たちは路地にはいった

しばらく歩いているとある看板が目に付く


「なになに・・・宿屋ニーズ」

俺は古ぼけた看板の文字を読み上げる

宿屋か・・・こんな目立たない

路地裏ならば案外と空いているのではないか?


「健太行くぞ!ここはいける絶対的確信がある。」


「だといいね~」


健太が弱々しく返事する

もう半ばあきらめモードなのだろう


「いらしゃいませー」


俺たちが扉を開けると、老夫婦が俺たちを

出迎えてくれた。


「部屋空いてますか?」


健太が心配そうに尋ねる


「3名様ですね、開いていますよ」


・・・3名?


「あの~2名なんですが」


俺と健太そう、二名


「ではそちらのお嬢さんは?」



「「お嬢さん?」」


俺と健太は視線を向けられたほうに振りむく

そこにいた人物は


「うむ、久しぶりではないか」


リーナ・フリードの姿があった


「待ってよリーナ、なぜここに?」


俺と決闘したあと家に帰って休養を取っていたのでは?


「うむ、実はこの町で護衛依頼があったのでな、

明日の朝から出立しても間に合う時間だったが、

なにせ半日もかかる距離だ、何があるかわからん

遅刻などしてしまったら、依頼人に申し訳がつかない

というわけで、早めに出て今ここにいるというわけだ」


でも、俺の聞きたい真相はそこではない


「で?なぜこの宿に?」


「それは簡単だ、君たちの後ろ付いていったからだ」


「で、お客さんはどうするの?もう一部屋しかないけど」


しびれを切らした店主が俺たち言った


一部屋だと?男女が同じ部屋だぞ?

俺は一向にかまわないけど

リーナは納得しないだろう

なにせ俺はしっぽを掴んだ前科持ちだ

いったいどうすれば・・・


「では三人で部屋を使わせてもらおう」


「ちょ!リーナいいのかよ!」


「そうだよ!リーナ」


「別にかまわんが?

実は私も宿が見つからず困っていたんだ

ちょうどいいではないか」


リーナがキョトンとした表情で答える


「では、右端のお部屋をお使いください」


「では行こう」

リーナがカギを受け取り

俺たちは部屋に向かった


なんてこった・・・まさか女の子と同じ部屋

で止まることになるなんて・・・

健太を外ににでも放り出そうかな・・・



「ん?なんか・・・体が重いな・・・」


何かが乗っかてるような重み

なんか・・・人が乗っかてるような?

俺は瞼をこする。すると・・・


そこにいたのは下着姿のリーナだった。

鼻孔をくすぐる甘い香り

程よく大きな胸

何よりきめ細かな綺麗な肌

が俺の劣情をくすぐる


「しゅんたくん~」


リーナが甘い声で俺に抱き着いてくる


「ちょ!リーナ」


そしてリーナがブラのホックを・・・







チュンチュン


「おい!俊太起きろ」


当然聞こえる聞きなじんだ声

いったい何事だ?


「いつまで寝てるんだよ・・」


よく見たらそこには健太の姿があった


「は?ブラは?」


俺は瞼をこすりながら聞いた


「なんの話だよ、もう朝だよ」


朝?さっきまで最後まで行きそうだったのに?


「リーナは?」


じゃあいったい今までの何だったんだ?


「なんか剣の素振りしてくるって言って出ていったよ」


俺は状況理解した



「・・・くそったれえええええええ!!!!!」



俺はこぶしを握しめ叫んだ

夢落ちなんて許されるわけがない

くそおおおおおおおおお





◇◇◇




「ふん!ふん!ふん!」


リーナが力ずよく剣の素振りをする


「おう!リーナいい素振りじゃないか」


「ようやく起きたのか

最初は稽古にでも誘うつもりだったんだが

あまりにも熟睡していたから起こさないでおいたぞ」


「それよりさリーナ、昨日の夜俺の上に乗らなかった?」


「なんことだ?」


やはり夢だったのか・・・

しかしいい夢だった・・・

下着姿のリーナ・・・

おっと、いかんいかん煩悩退散、煩悩退散

こういう時は素振りでもして

頭をフッレシュにしよう


「俺も混じってもいいか?」


「無論構わない、山田健太は入らないのか?

見たところ槍術の使い手とお見受けする

ぜひとも腕前のほうを拝見したい」


「いや~僕の槍術なんて大したことないけどね

実力が見たいならそうだな~決闘・・・は

これから護衛依頼あるしね・・じゃあ乱取り

稽古でもしようか」


乱取りけいことは自由に技をかけあう

稽古方法だ。基本的に寸止めで

行われる場合が多い


「乱取り稽古か・・・面白い受けて立とう」


リーナが剣を構える


「じゃあ始めよう」


健太もロンギヌスとかいう無駄にカッコイイ槍を構える


「では、私から行かせてもらおう」


リーナの一声から乱取り稽古が始まった。

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